読書感想:死呪の大陸

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さて、突然ではあるが画面の前の読者の皆様。貴方はファンタジーはお好きであろうか。匂い立つようなゴリゴリでガチな異世界はお好きであろうか。

 

ではこの作品の感想を語る前に、まず初めにこの作品のあらすじを見ていきたいと思うのでお付き合いいただきたい。

 

毎日が平穏だった。温かくて、優しくて……でも刺激が、足りなくて。何者かになりたかった。自分にしか出来ないことをしたかった。だから願った。その結果、何が起こるかも知らないで。
《死道標》と《死予言》二つは対となり死呪を完成させる。
憧れていた大陸は、そんな死呪に満たされていたのだ。
かつて神の罠に嵌り、全てを奪われた少年・シキ。暗殺者として影の世界に生きるシキの日常は、外見だけは可憐な美少女・エヴィルとの出会いによって変わってゆく。破天荒な彼女と目指すは《立体城塞都市レジナリオ》――この地に待つ、約束された悲劇を覆すために。

 

何故この作品のあらすじを話すというこのブログにしては珍しい行為をしたのか。それは上記のあらすじの中にいくつか嘘が紛れ込んでいるからである。

 

その嘘は各自確かめていただくとして、この作品では何を描くのか。

 

それはヒロインである根っからの戦闘狂な顔だけ美少女、エヴィル(表紙)と神の罠に嵌り全てを奪われ暗殺者として生きる少年、シキのコンビによる激しいアクション含む戦闘描写。そして神の罠、神や世間に許されずとも貫こうともがく、愛を抱く者達の許されざる愛である。

 

世間には許されぬ愛を貫く事に疲れ果て。そして別れ自らの時を止めてしまい。だけど確かに変わらぬ愛がまだその心にあったのなら。

 

「知らなかったよ。世界が・・・・・・こんなに広いなんて」

 

正反対の相手と旅をする中、様々な出会いと別れを繰り返し。そして許されざる愛が生み出した一つの奇跡を目にし。

 

心を縛り付けていたシキは心から笑い口にする。このくそったれな世界はこんなにも素晴らしいと。

 

この作品は売れ筋かと言われればそうではないかもしれない、わかりやすいかと言われればそうでもないかもしれない。しかし、何処までも圧倒的であり一度も止まる事無く、まるで生き急ぐかのように駆け抜けていくからこそ。一瞬も目を離せない面白さがあるのも確かなのである。

 

奥深くて圧倒的なファンタジーを楽しみたい読者様。個性的に過ぎる登場人物が好きな読者様にはお勧めしたい。きっと画面の前の読者の皆様も満足できるはずである。

 

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