前巻感想はこちら↓
https://yuukimasiro.hatenablog.com/entry/2020/09/24/231326
さて、死して復活した竜王、ヴェイラ。彼女は一体何を為していくのか。そう問いかけたい読者様に一言お伝えすると、今回はエルフィーネ先輩回と言っても過言ではないという事を伝えたい。
ヴォイドに侵された自身を切り離し、何とか力の大半を失いながらも生き延びる事に成功したヴェイラ。レオニスと再会し彼から世界の現状を聞き出し、レオニスの王国と言う事になっている第07戦術都市を巡り、人の営みを見ていく。
しかし、その途上、偶々立ち寄った占い師の元でヴェイラは訝しげに囁く。千年前とは星の配置が違うと。千年前には存在しない星、レオニスにより滅ぼされた大賢者が嘯いた虚無の星、そう呼ばれ一般的には凶星と呼ばれる星があると。
その裏、咲耶は自らの配下の者達に自らが気になっている事を話す。自らと同じように、あの日憎悪に身を焦がし虚無を受け入れた己と同じく、魔剣の力を使いこなすものがいると。
そう、魔剣。レオニスも用いる魔性なる力である魔剣。だがこの世界において、魔剣の名がとある計画の中に存在していた。それはエルフィーネの実家であるフィレット社の極秘計画、「魔剣計画」。聖剣を進化させる計画だが放棄され、謎の誰かが第〇七戦術都市を実験場に推し進める計画。
その事実を裏付けるように、かつて聖剣を覚醒させたリーセリアに打ちのめされた男、ミュゼルが現れレオニス達の目の前で聖剣の力を暴走させる、まるでヴォイドのように。
そしてレオニス達の前に更なる謎が現れる。それを運んでくるのは誰か。その名はゼーマイン。かつて大魔王だったレオニスに仕えながらも最後は彼に粛清された、裏切り者の参謀。
女神の器として封印されているレオニスを復活させようと画策し、聖剣の相転移体である魔剣を大量に用い、策を為そうとするゼーマイン。
その側へ、ネファケスは謎の一人の少女を護衛としてつける。その名は刹羅。咲耶の死した姉と同じ名を持つ者。
自らの居城であった「天空城」を探しに向かったヴェイラ達と別れ、レオニス達はかつてのレオニスの居城、「死都」があった場所へと向かう。
かの地で巻き起こる、レオニスと女神以外には起動できぬ筈の神殿の再起動。それを為したはリーセリアにも埋め込まれた女神の欠片。
そしてエルフィーネは向き合う事となる。かつて自身の所属した別の小隊の隊長、ライオットの暴走に。
「あなたが望んだのは、その力じゃない」
恐怖に向き合い、乗り越え。そしてその先に彼女はもう一度自身の聖剣を目覚めさせる。
「俺の〈王国〉に蔓延る虫共は、一匹残らず滅ぼし尽くさねばなるまい」
その裏、ゼーマインをヴォイドの巣ごと自らの魔剣で消滅させたレオニス。
しかし、今わの際のゼーマインは語る。
我々は女神の預言の為に行動している。それはレオニスすらも知らぬ予言であり、その預言を知るのは只一人、〈アズラ=イル〉ではない誰かだと。
銃が生まれる前に銃の聖剣が生まれた聖剣の謎。咲耶の故郷を壊滅させた者達の謎。そして、千年前の者達がそれに従い動く謎の預言。更に、未だ影も見えぬ帝都で進む何らかの思惑。
未だ全貌が見えぬどころか更に謎がばらまかれ、舞台の全容と知らない真実が何処までも加速していく今巻。
さて、この気になる謎の全容はどんな姿となっているのか。画面の前の読者の皆様も是非、考えてみてほしい。