読書感想:勇者リンの伝説 Lv.3 七つの球を探し求めて俺たちの学園祭がカオス。

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前巻感想はこちら↓

https://yuukimasiro.hatenablog.com/entry/2020/07/28/234707

 

問:掴もうぜ、この枕詞の先に続くものを述べよ(配点三点)

 

答:ゴールデンボール

 

ゑ、そこはドラゴンボールではないのか、そう聞きたい画面の前の読者の皆様、少しお待ちいただきたい。何故ゴールデンボールなのか。それはこの巻でカイやリン達が突然集めなければいけなくなったものがゴールデンボールだからである。

 

何処の世界の学園にも大体の場合において共通して起こり得るイベント。それは学園祭である筈。カイやリン達が通うユースタシア学園においても「獅子王祭」と呼ばれる学園祭が存在している。

 

 

しかし、その学園祭の狂騒をぶち壊しにしようとするものがいた。それは魔女と名乗る少女、イオ(表紙)である。

 

学園内に七つ、魔物を封印した球を隠したと告げ、カイ達にその玉を見事見つけて見せろと喧嘩を売る魔女。学園祭を守る為に、玉探しへと挑むカイ達。

 

しかし、彼等の日常は往々にしてコメディであり、格好良く締まる筈もなく。学園祭という一大イベントの中繰り広げられるのは、いつもとはちょっと色の違う大騒ぎである。

 

クロトがいるメイド喫茶でズボンを脱がせようと躍起になったり。

 

ミスコンの場で白ビキニが絡む大騒動になったり。

 

お化け屋敷という何か起きない筈はないであろう場所で更なる騒動が巻き起こったり。

 

いつもの学園とは違う非日常。だからこそいつもの五割増しで混沌極まる大騒動が繰り広げられる。だがその中に蠢くのは、魔女と呼ばれた少女の本当の願いであるのだ。

 

魔女というにはあまりにぽんこつで。それが自分の本懐であると言わんばかりにカイ達に試練を課して。

 

だがしかし、彼女の心の中にあったのは羨望。彼女もまた寂しかった。だからこそ、カイ達に試練を課すという形で楽しもうとしていたのだ。

 

だけど悪戯を課すのが魔女の成長の為の試練だから。だからそんな形でしかカイ達に関われなくて。

 

そんな彼女へ、そして魔女に囚われていた魔物達へも。纏めて手を伸ばし引き込む事こそ、リンの役目である。

 

「君たちも、一緒に学園祭を楽しもうよ!」

 

例え迷惑をかけられても、誤解を受けて睨まれても。分かり合って友達になったのならば皆同じ、そう言わんばかりに笑う彼女はやはり勇者なのである。

 

前巻にも増して混沌、だけど彼等だけにしか出せない学園祭の景色。それがどこまでも眩しい今巻。

 

画面の前の読者の皆様も是非、このお祭りを楽しまれるのはいかがだろうか。

 

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