読書感想:俺が告白されてから、お嬢の様子がおかしい。2

 

前巻感想はこちら↓

読書感想:俺が告白されてから、お嬢の様子がおかしい。1 - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 さて、前巻できちんと事情があるからこそ鈍感な、とんでもない硬さの牙城な影人の心を射止めるべく、主である星音がポンコツに空回りしながらも頑張る、というこの作品の趣旨は理解していただけているであろう。では今巻では何が起きるのか、というと。夏休みを迎え、非日常的な時間も始まる中。影人を巡る戦いに新たな影が、といった感じに始まる巻である。

 

 

 

「もっと遊べ! 遊び呆けろ!」

 

 

主である星音の為を思い、夏休みの間だけ一人暮らしする事にし。そんな影人に親友である雪道が持ってきたのは、近々共学化する名門女子校との交流会、彼曰く「合コン」。もっと普通の子供らしく遊べ、という指示を真に受け、その裏にある星音の父による影人の為のお見合い、という本音に気付く事もなく。

 

「「・・・・・・海と山、どっちがいい?」」

 

が、雪道の方から星音と乙葉にあっさり真実が露呈してしまい、合コン当日。名門女子校に所属していた、星音の家と関わりのある名家の令嬢、海羽と遭遇し。会場である喫茶店にバイトとして紛れ込んでいた星音と乙葉がドタバタを巻き起こし。

 

「私も隣の部屋で一人暮らしを始めたからだけど?」

 

更には影人のお隣の部屋に、星音も引っ越してきて。 いつもとは違う距離感で、夏休みが始まるのだ。

 

影人は普通の学生らしく、様々なバイトを体験してみることに。まずは乙葉の臨時マネージャーとなり、「歌姫」という彼女の強みに魅了され。

 

さらに翌日は、海羽の家でバイト、かと思いきやいきなり隠れ家的な孤島に連れられて行き、友人同士の様に振る舞う事に。その場へ星音と乙葉も駆けつけにらみ合いが発生する中。何故か海羽を遠ざける次期当主の兄、嵐山に睨まれてしまい。海羽の友達でいる資格をかけて、泳げぬ海羽を泳げるようにすることになる。

 

期限は五日、乙葉のイメトレで影人が変なイメージをさせられそうになったり、星音の開発したスーツがドタバタを起こしたりする中。心因的な方向を探る中、かつて海羽が海で溺れかけた時に、嵐山が助けてくれなかった、という話を聞き。そこに込められた理由を探る中、衝撃の事実が判明する。

 

それは、影人から依頼を受けた雪道が調べても、調べられなかった嵐山のとある情報に関する秘密。その秘密を抱えていたからこそ、嵐山は最後は海羽に全てを託すために今は突き放していて。

 

「知っていましたわ」

 

だけどその秘密に海羽は何となく感づいていて。それでもいい、と二人は仲直りして。家族の絆を繋ぎ直し、友人としての絆を保つことにも成功する。

 

「あなたが、俺のご主人様だったりします?」

 

が、しかし。古典的なトラブルがその後に。それが新たな波乱の呼び水となるのだ。

 

前巻にも増してドタバタ、笑えて萌える今巻。前巻を楽しまれた読者様は是非。

 

きっと貴方も満足できるはずである。

 

俺が告白されてから、お嬢の様子がおかしい。 2 (HJ文庫 ひ 06-01-02) | 左リュウ, 竹花ノート |本 | 通販 | Amazon