読書感想:私の怪談師はポンコツ可愛い1 怪談収集はデートに含まれますか?

 

 さて、怪談師というと稲川淳二さんも怪談師、という扱いになるのだろうか? 間違っているという方はこの感想のコメント欄でツッコミついでに訂正して欲しいのだが。画面の前の読者の皆様は、怪談師と呼ばれる方々を実際に見たことはあられるだろうか? 多分、見たことがないという読者様がほぼ全てであろう。多分、普通に生きていると怪談師、という方たちは馴染みのない方々、となるのかもしれない。

 

 

と言う訳でこの作品は怪談師、が関わる訳で。だがホラーかと思えば、百合なバディもので青春エンターテイメント、であるのだ。

 

「できたら、話だけでも聞いてあげてもらえないかな?」

 

実は霊感が強い、という秘密を持つもその体質のせいで今までいい事が無かった少女、青(表紙左)。ある日彼女が中学時代からの同級生である結花に霊関係の頼みごとをされている時に声をかけて来たのが、クラスで一番とっつきにくそうと言われている少女、咏(表紙右)。今夜、家に来て欲しい、とだけ言われて、一先ず行ってみて。そこは「スリラー・キャット」とい怪談BAR。そこは咏の実家であった。

 

「怪談噺の収集を手伝ってもらいたいんです」

 

そこはスタッフが、怪談師となって怪談を語る場所。咏もその見習い、であるのだが。物凄く端的に言うと未熟、リアリティの欠片もなくどこも怖くない怪談しか話せず。修行の為、実話の怪談が起きた場所へ行って怪談を集める為に霊感を持つ青に協力して欲しいと言い。一先ず一回だけ、という条件を付けて丑の刻参りが行われているという神社に行ってみることに。

 

道中、語られるのは咏の過去。父のような怪談師、に憧れるも気味悪がられて虐められ。怪談を頼りに、希望に立ち上がったけれど才能がないと誰しもに言われて。そんな中で見つけたのが青。自分と同じく自分を曝け出すのを怖がっている彼女。

 

「あいつ程度じゃ、私には傷一つつけられないってだけ」

 

そして神社、藁人形を探す中で巻き込まれた霊域、そこに現れたのは呪いの元凶の化け物。だが青は真っ直ぐに嫌そうに溜息を吐きながらぶちのめす。本物の霊能力者である祖母に、「異端の忌み子」とまで言わしめ鍛えられた力で。

 

此処に結成されるのは怪談師見習いとその護衛のコンビ。興味のままに暴走する咏に振り回され、集めた怪談が詰まらぬ話に昇華されてしまうのに溜息をつき。JK配信者、結花を襲うひとりかくれんぼの呪いに立ち向かったりしつつ。そんな中、曰くの多い山に怪談を集めに行った事で。山に巣食う亡霊の撒き餌として知らぬ間に使われ、咏の妹であるかなが連れ去られてしまう事に。

 

何故、かなは連れ去られたのか? それはかなが既に死んでいるから。何故か、それは咏が原因。死したとしても大切な妹を取り戻したいという咏にお願いされ、仕方なく同道させ取り戻すために動くことに。

 

「こんなに青のことを必要としている人が、目の前にいるじゃないですか」

 

しかし、悪霊に心の隙間に入り込まれ、青はあわや死の危機。そこへ自分の危機を顧みずに飛び込んでくる咏。傷つけた者ばかりの過去よりも、救われた自分がいる今を見てほしいと真摯に訴える彼女に、やっと青の目が覚めて。後はさっさと片付けるだけ。

 

「いいじゃん、楽しそう。まさに青春って感じじゃない?」

 

その先に始まるのは、灰色ではない青春。自分達だけの色に染まっていく青春なのだ。

 

正に青春エンターテイメント、真っ直ぐな絆を繋ぎ駆け抜けていくこの作品。賑やかでここにしかない青春を見てみたい方は是非。きっと貴方も満足できるはずである。

 

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