読書感想:ひきこまり吸血姫の悶々8

 

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読書感想:ひきこまり吸血姫の悶々7 - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 さて、ひきこもりたいけれどこもれない、そんな我らが主人公であるコマリであるが、前巻の最後に巻き起こった大変な事態を画面の前の読者の皆様はご記憶されているであろうか。 魔核の破壊、それ即ち世界崩壊の第一歩であり、世界の均衡を崩しかねないもの。だがしかし、それは「常世」への扉を開く鍵。そんな訳で、「常世」に転移してしまった事から今巻は幕を開けていくのである。

 

 

「ここどこ?」

 

目を覚ましてみればヴィルの見慣れた顔、だが周囲の景色は全く見慣れぬもの。そう、ここは「常世」である。同じ場所に転移していたネリアとエステルを加え、一先ずヴィルの血の力で未来を覗き。そこで予見されたのは、一週間後のコマリの死。一先ず死なぬ事を目標に、始まる冒険。

 

 冒険開始早々に出会ったのは、謎の集団に襲われていた謎の少女、コレット。ヴィルの名前に謎に昂った反応を見せる彼女からヴィルを通じて聞き出したのは、衝撃の事実。

 

それは、この世界にも聞きなれた国名はあるもどうもあり方は違うらしいと言う事、この世界には魔力が無く、魔法は御伽噺である事。そしてこの世界には、コマリの母親であるユーリンがいるらしいという事。

 

一先ずユーリンとの合流を目指し、コレットを安全な場所に送り届ける為に始まる旅。お金を稼ぐために傭兵団、「コマリ倶楽部」を結成し。様々な依頼を皆でこなしながら進む珍道中。

 

 その道の中、ムルナイト帝国の「巫女姫」であるというコレットがヴィルに近寄っていく理由が明かされていく。それはかつて離ればなれとなった幼馴染、それが「ヴィル」であると。彼女を大切に想うからこそ噛みついてくるコレットにたじたじになりながら、いつか別れねばならぬのかと懊悩するコマリ。

 

そんな彼女へとこの世界で迫る新たな敵。その名は「骸奏」、トレモロ。この世界の傭兵団である「星砦」の一員であり、人類滅亡を願うが故にこの世界に不穏をまき散らしていた忌むべき敵。

 

「こいつは、わたしがとめる」

 

コレットを傷つけられ、彼女の故郷の者達を傷つけられ。怒りに震え膨大なる力をぶつけるも、一瞬の隙を突かれ村を人質に取られ。隙を突かれ致命傷を負わされ、だがその場へ「逆さ月」の盟主であるスピカが駆け付け。傷ついたコマリは連れ去られていく。

 

舞台が切り替わる中、事態が急展開を始めていく今巻。果たしてコマリという要を失ったヴィル達を救うのは誰か。

 

シリーズファンの皆様は是非。きっと貴方も満足できるはずである。

 

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