
前巻感想はこちら↓
さて、この作品は新作、と言う顔をして実は約三年前に発売された作品の続編、的位置づけとなっているらしい。無論、今作だけでも楽しめるのであるが、出来れば前作を読んでから、今作を読んで欲しい次第である。さて、では今作品では何が起きるのであろうか。
前作では、ヒロインである茜が二人、という怪現象に振り回されながらも不器用な青春をしていた訳であるが、今巻ではがらりと色を変え、人狼ゲームにも似たゲームの中、人が消えていくと言う怪現象に襲われながら、犯人は誰かと推理していく物語なのだ。
「もしそれで遠也くんが悪く言われるようだったら私が全力で援護するよ」
前巻、恋人同士になった遠也と茜。だが、遠也にかけられた誤解を解くまでは行かず、それどころか学校一の美人の彼氏となった事で、よりやっかみの視線を受ける事にもなり。本来の姿を理解してくれているのは数人、という状況の中で茜から誘われたのは、演劇部で行われる「推理ゲーム」、へのお誘い。学校にいる間、与えられた人物像を演技して、その先に参加者の中にいる「悪魔」を投票にて決めて吊るせ、というもの。
「我慢ならずに演技を止めて志穂の席を指しながら聞いたら誰の物か分からないってみんな言うんです」
「合計二度の注意で失格となります」
だが、すぐに異変は目を覚ます。投票により吊られた生徒が、文字通り存在が消失し。更には顧問の先生が、まるで霞の様にどこにでも現れてまるで機械のように、審判に徹してきて。学校の外でも油断ならない時が続く中、謎解きを強いられることに。
「それは・・・・・・言えません」
「単純明快です。この中で一番信頼できない人だからですよ」
「欲求を抑えられなかった」
探すべきは「悪魔」、そしてゲームの始まり、違う願いを祈った「祈り人」。何かを隠す事情、信じられないと言う率直な思い、そして偽る思い。幾多の想いが交錯する中、遠也が徐々に暴き出していくのは、「祈り人」、其処に繋がるヒントの糸。
「ここに二人、お前の味方がいるからだ」
果たして何を祈ったのか、それは細やかな願い。自分を偽る、それしかないと思い込んでいた、ささやかな気持ち。
「・・・・・・やっぱり隠しごとはもうしたくないな」
その思いは受け入れられて、ゲームは「悪魔」の勝利に終わり。悪魔による推理編の後、新たな日常が始まっていくのだ。
前作にも増して怪現象、その中で不器用で等身大の秘めた思いが巡るこの作品。真っ直ぐな思いが見てみたい読者様は是非。きっと貴方も満足できるはずである。
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