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読書感想:恋は双子で割り切れない5 - 読樹庵 (hatenablog.com)
さてハートが交差して、純を中心として恋が響いて。ちぐはぐな音が絡み合って、純と那織が付き合いだして、という所で前巻は終わった訳であるが。さてここより何が語られるのか、というのをこれから見ていきたい次第である。確かに純と双子の三角関係は一先ずの帰結を迎えた。かのファンタジア文庫の作品の如く三人で付き合う、という選択肢を選ぶ事なく二人と一人になる事を選んだ。だけどそれで、終わるわけではない。
当然であろう、恋は付き合って終わり、という訳ではない。そして幼馴染としては王道、既に揺るがぬ関係であっても、恋人としてはまだ初心者。まだまだ未熟者。そして簡単に割り切れる、という訳でもない。だからこそ新たな形を、という事だ。
「そうなんだ。ちょっと安心した」
付き合いだした事でまだ、何かが変わりだす。だけどそう簡単に割り切れる、という訳ではない。純は今まで琉実とよく取っていた連絡を那織が嫌がるから、と取らなくなり。那織も琉実の事を気遣う裏から重めな本心を垣間見せ。琉実もまた、割り切ろうと走りに打ち込むも、忘れずに自身のリズムを崩す。
それは正に、ガラスのロープを渡るようなもの。おっかなびっくり、これ以上踏み込めばもっと壊れる、だけど歩く。ある意味悲しい、だけどそれでも割り切れぬ思いは三人の関係をかき乱す。
「そりゃ結構。隣人さんは歪んでる女が好きって事でしょ」
「あー、腹立つなぁ」
だけど、もう歩き出したから。そしてたとえ恋という絆は途切れても、切れぬものはある。それは姉妹の糸。幼馴染の糸。 従姉の姉さんという外からのてこ入れに背を押され。あの日は言えなかった本音をぶつけ合って、いつもの空気を取り戻して。
「うちらはさ、友達っていうか、もう親戚に近いよね」
友達ではない、幼馴染みとしても長い。だからこそ親戚のようなものだから、と。妹をお願いしますとやっという事が出来て。純と琉実の関係もまた新たに。
笑って、見つめて、楽しい毎日にしたいからと。 運命だって、お似合いだってと惚気るみたいな二人を見つめる周りも巻き込むように。
廻ってきた文化祭、その後の三人だけでのお出かけの中。これまでもあった事実に改めて。昔から三人で、今も三人で。そう、既に彼等は三連星、今さらはじき出すにはもう惹かれすぎているから。
そんな当たり前を確かめて。新たな形での三人がまた始まっていくのだ。
これ以上語るところはない? 否、まだまだある、もっと語れるはず。だからこそもっともっと、末永くこのシリーズ、私がラブコメで一番好きと言える物語をもっと読みたい次第である。
一巻かけて立ち直り、また新しい日々の始まる今巻。シリーズファンの皆様は是非。きっと貴方も満足できるはずである。