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読書感想:吸血令嬢は魔刀を手に取る - 読樹庵 (hatenablog.com)
さて、前巻でナイトログであるノアと兄妹のような関係であると判明したこの作品の主人公、逸夜であるが。よく深堀してみると、結構まだまだ闇が眠っていそう、と思われる方もおられないだろうか。強力な夜煌刀に変ずることのできる彼。それは偶然なのか。こうまで闇が深いとそこにも何か事情があるのではないか。その疑問に光を当て、「夜ノ郷」へと一旦舞台が移るのが今巻である。
夜ノ郷はハクトの創作で天手古舞、暫くのんびりする余裕もできる中、逸夜が考えるのは自分が何者かという事。ノアと同じく人とナイトログのハーフなのか? にしてはナイトログの特徴が薄いが。そう考える中、行き倒れのナイトログを拾う。その名はナナ(表紙左)。マッドサイエンティストの一族として有名な苦条峠の一族であり、ネクロによって殺され逸夜の願いで蘇ってきた存在。恩義からか何故か逸夜の事を兄さんと呼び慕う彼女が持ってきたのは、「神託戦争」と呼ばれる武術大会へのお誘い。常夜神の承認を受けているこのイベントは、ナイトログ二人でコンビを組みお互いの夜煌刀を交換して挑めるという特別ルールがあって。
「分かってるよ。参加したってメリットがない」
優勝者には豪華賞品、だけど平穏を望む逸夜達には参加してもメリットのないイベント。だが、夜ノ郷からの新たな刺客はもう迫っていた。「夜煌刀狩り」を名乗る、シスター服を纏い二振りの夜煌刀を持つ女、ペトラ。彼女は「神託戦争」の運営、常夜神を祭る「神殿」の一級神官。彼女の手により優勝賞品として和花や水葉が連れ去られてしまい。取り戻す為、正攻法で挑む事となって逸夜はノア、そしてナナと共に神託戦争に参加する事となる。
「だから兄さん。神殿は敵なんですよ」
神殿より刺客が送り込まれ迎撃、ネウロも味方してくれることになり調査と戦闘が同時に進む。その中、ナナにより明かされるのはこのイベントの真実。夜煌刀狩りこそがこのイベントの本質、そして求めているのは黒白刀と呼ばれる特別な刀、その一つが逸夜。何を隠そう、彼は夜煌刀狩りにより夜ノ郷へ連れ去られ、実験により変えられてしまったという事。
否定する材料も無し、思い当たる材料もある。そんな中、勝ち抜き優勝はもぎ取るも。ペトラの悪辣な宣伝によりノア達は泥棒にされてしまい、夜ノ郷中の住人から追われる事になってしまう。
「大丈夫だ。俺に任せておけ」
追手として現れたのは、内通者であった身分から寝返った筈だが寝返り切れていなかったナナ。 戦いの中、思い出す。あの実験の場、共に居た事。交わした約束を。今度こそ約束を守る為。接続し目覚める、ナナの刀としての形態。使用者に呪いと引き換えに未来を予知する力を授けるもの。 己を食いつくさんとするその呪い、抑えるのはノアの力。 二人の妹を刀に変え、ペトラに決別の一撃を叩きつけ。ナナも連れて、日常に戻るのだ。
より世界観と悪辣さが深まる中、より面白さ高まる今巻。前巻を楽しまれた読者様は是非。きっと貴方も満足できるはずである。
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