読書感想:最後の英雄に捧ぐ花嫁学園 時を超えし魔法使い、次代の姫と絆を結びハーレムを築く

 

 さて、時に画面の前の読者の皆様は「花嫁修業」という言葉は聞いたことはあられるであろうか。例えば炊事、掃除、化粧等。今の時代ではもう、あまり見ることは無いかもしれない修行。何故だろうか。私が思うに、それは基本的に女性が専業主婦となる事を想定した昔の価値観が前提だからであり、男女平等、兼業主婦が基本と想定されているであろう今の時代においては相応しくないものだから、かもしれない。

 

 

さてそれはともかく、画面の前の読者の皆様は付き合う異性に対してどのような条件を求められるであろうか。 その条件は色々あるかもしれない。とりあえず私は、私の趣味に理解のある人を求めたい次第であるが。 そんな前置きから察していただけたかと思うがこの作品はお付き合い、ひいては「花嫁」という要素が重要となるのだ。

 

「滅びの予言書」と言われる三年の間に集中する七つの世界崩壊の危機を記した予言書。 人間の欲望の念を汚れとしてため込んだ事で暴走した精霊たちをぶん殴って元に戻し、人類に魔法を取り戻した最強の魔法使い、アレク。

 

「それはもちろん、対等な者であろうな」

 

しかし世界を取り戻した事で、敵がいなくなった事でヒマとなり。配下の一人であったエステル(表紙左端)に恋人を作ってみてはと提案されるも、色恋が分からぬ故にあっという間に話が消え。しかしエステルに未来でなら見つかるかも、と言われ彼は自信の時を止める魔法で未来へ向けての眠りにつく事を決める。

 

 が、しかし。眠りにつく前にエステルとの間に出来ていたすれ違いを解いておかなかった事が、驚きの事態を引き起こしていた。アレクの考えを誤解したエステルが作り上げていたのは、魔法使いを育成する女学園、そしてアレクの花嫁候補を育成する為の学園。言わばこの学校に通う少女達はアレクのヒロインとして育成されているのである。

 

そんな学園の在り方、ではなくこの時代の魔法に興味を覚えアレクはこの学園に通う事を決意し。「姫」と呼ばれる実力者の称号を持つヴェル(表紙右)やサラ(表紙中央)、教師であるメーヴィス(表紙上)といったヒロイン達と絆を深め。掃除や料理と言った個性的な授業を興味深いと喜んで受けたり、その実力でアレク本人であると認めさせていく中。身内に潜んでいた危険因子と激突する事となる。

 

「道を踏み外した時は、何度だって殴り飛ばし、正道へ引き戻してやる」

 

その戦いの中、見せつけていくのは今の時代で身に着けた力。そして立ち向かってきた危険因子の中、隠されていた本心を感じ取って。その反逆を許し、改めて器の大きさで下すのである。

 

主人公もヒロインも成長の要素がある、真っ直ぐなファンタジーが根底にあるからこそ面白いこの作品。王道的なハーレムが好きな読者様は是非。

 

きっと貴方も満足できるはずである。

 

 

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