読書感想:シャインポスト (3) ねえ知ってた?私を絶対アイドルにするための、ごく普通で当たり前な、とびっきりの魔法

 

前巻感想はこちら↓

読書感想:シャインポスト (2) ねえ知ってた?私を絶対アイドルにするための、ごく普通で当たり前な、とびっきりの魔法 - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 さて、私がこの巻の感想を書いている頃にはアニメ版の方もそろそろ放映される頃であろうか。正直、アニメ化の第一報を見た際は、発表するタイミングがやけに早くないか、と驚いたのを覚えている次第である。ではアニメ化もゲーム化も決まり、今勢いに乗っているこの作品。今巻では一体何が描かれていくのか。第一部完ともいえる今巻で描かれるのは、最強の好敵手達とのぶつかり合いなのである。

 

 

「TINGS」と似通った特徴を持ちながらも、個々のレベルは圧倒的に格上。様々な因縁を持つも今は未だ後塵を拝す相手である「HY:RAIN」。彼女達を率いるマネージャーであり直輝とも浅からぬ因縁を持つ綾により、直輝の引退を賭けて三本勝負が行われる事となり。更には「HY:RAIN」のリーダーである蓮の突然の提案により春の引退までもが賭けられ。負けるはずはないとお互いに自信をのぞかせる二つのグループにより対バンは正式に決定となる。

 

「私、ダンス勝負出たくない・・・・・・」

 

 決戦の舞台となるのは中野サンプラザ。言うまでもなく大舞台、間違いなくアウェー。直輝と綾の相談により決定した、メンバーを選出しての三本勝負へ向けて練習する中。どこか精彩を欠いた様子の紅葉が辞退を表明し。そこに込められた想いが明かされる。

 

相手のメンバーである青葉から明かされたのは、同じくメンバーであり妹でもある絃葉と紅葉の間の因縁。あの日、妹の笑顔を守る為に身を引いた紅葉の思いと、そこから拗れ繋がってしまったどこか歪んだ三人の関係。

 

「まずは、君が一人ぼっちになるのをやめないとね」

 

それは過去の忘れ物。そして放してしまった手。それを手放してはまた彼女達は一人ぼっちになってしまう。仲間達に励まされ、決意し紅葉はダンス勝負に挑む。

 

「理想を魅せるのが、アイドルではないでしょうか?」

 

そしてそれは紅葉だけではなく。蓮へと思う所のある春もまた、舞台に上がることを決める。今度こそ彼女を助けるためにと。

 

「私、今から輝きます!!」

 

 文字通り死力を尽くし全力を賭して。グループも何も関係なく、全員で一つと錯覚させる程に観客たちを魅了して。直輝達かつての世代も集う中、杏夏や蓮達新時代のアイドル達が舞台で躍動する。だれか一人が輝くのではなく皆で輝く、それこそが「シャインポスト」であると見せつけていく。

 

正に絶頂に導かれるかのよう、熱くて激しい思いが鼓動している今巻。シリーズファンの皆様は是非。

 

きっと貴方も満足できるはずである。

 

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