読書感想:親が再婚。恋人が俺を「おにぃちゃん」と呼ぶようになった 1

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 さて、突然ではあるが、義妹とは良いものであると誰かが言ったような記憶があるが、一体誰が言ったのか、画面の前の読者の皆様はご存じであろうか。ご存じであればこっそりと教えていただきたい。と、言うのはともかく義妹とは義理の妹である、文字通りに。義理、つまりは血の繋がりが無い。故に結婚も可能であり、付き合ったとて何ら問題が無い。故に時折、ライトノベルにおいては義妹はヒロインとして登場するのである。

 

 

ではそんな存在が元々、恋人同士であったのなら。しかも同級生であったのならどうなるのであろうか。その結果を描いていくのが今作品なのである。

 

「はい・・・・・・俺で良かったら、よろしくお願いします・・・・・・」

 

とある高校の図書室、その片隅で。母子家庭育ちということ以外は普通な少年、大貴は同じ図書委員である寧々花(表紙)に告白され、受け入れ付き合いだす事となる。

 

 と、ここまでの流れのままに進めば普通のアフターストーリー系ラブコメとなっていたであろう。しかし、それは運命の女神様の気紛れな悪戯か。母親の再婚により、何の因果か二人は義理の兄妹となってしまったのである。

 

一度は兄妹だからと諦めようとした恋心。しかし、義理の兄妹は特に結婚しても問題と言う事が無いと分かり舞い上がり。だが寧々花の父親が厳しい方面の人間であった為、厳しいルールを儲けられぬ為、ひいては微妙な時期を乗り切るために。様々なルールを制定しながら、二人は表向きは兄妹として振る舞う事を決める。

 

「でも、二人きりの時は、大貴の彼女だからね」

 

 だがしかし、画面の前の読者の皆様もご存じであろう。ルールは時に破る為に存在するものであり、そもそもルールとは抜け穴を突くものであることを。二人で定めたルールの穴を突き、何処か小悪魔ちっくに大貴に寧々花は迫り。自分の分身を年頃らしく荒ぶらせたりしながらも、大貴は振り回されていく。そんな彼等へと次々と厄介事は襲い掛かってくる。

 

生活リズムのすり合わせの不足でラッキースケベが巻き起こったり。遠き地から寧々花を溺愛する祖母が来襲したり。更には大貴の再従姉弟である柚琉がやってきて二人の関係に疑いを持ったり。

 

「キスだけは、私以外の人としちゃダメだからね・・・・・・?」

 

時に振り回されたり、時に鋼の意思で耐え抜いたり。そんな日々の中、ひとつ屋根の下という状況が思いを加速させていく。恋人としての気持ちがどんどんと高まり、もっともっとと、背中を蹴飛ばすように押してくる。

 

弾けるようなドタバタの中、甘酸っぱくて瑞々しい恋が溢れるこの作品。正に青春フルスロットル、エンジン全開で駆け抜けている。だからこそこの作品は面白いのである。

 

元気のよいラブコメが好きな読者様は是非。

 

きっと貴方も満足できるはずである。

 

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