読書感想:~東京魔王~ モンスターが溢れる世界になり目醒めた能力【モンスターマスター】を使い最強のモンスター軍団を育成したら魔王と呼ばれ人類の敵にされたんだが

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 さて、突然ではあるが画面の前の読者の皆様。たった一人の誰かが手洗いを怠っただけで人類は壊滅の危機に瀕する事もある、というのは物語上での出来事であるが、世界の破滅というのは実は身近なものであるのかもしれない。ではもし、世界が何らかの原因で滅び今までの全てが失われた時、そんな終末的な世界で生き抜いていく自信はおありであろうか。

 

 

という前置きと、この作品のサブタイトルから大体もうお察しいただけたであろう。この作品中における世界はとっくの昔に崩壊している。しかもそれは、今の時間軸と同じ時間に起きている出来事なのである。

 

2020年の冬、世界は唐突に終わりを迎えた。突如として世界各地に現れた謎の建造物、「ダンジョン」により。その内より出でたる異形の存在、モンスター達により蹂躙され人間はあっという間にその数を減らし。しかし、ある日全ての人間が「スキル」に目覚めた事により。未だ人間の抵抗は続き、世界は未だ紙一重の状況で持ちこたえていたのである。

 

そんな世界の日本の片隅、逞しく生き延びる青年、智(表紙右)。オタクな青年である彼に宿ったスキル、それは常軌を逸するもの。

 

 その名を「モンスターマスター」。自身の成長が制限される代わりに、魔物達を捕らえ使役し、成長させる。いわば某モンスターのような能力である。

 

その能力を手に、生き延びる為。もっと力をつける為に。もっと多くのモンスターを使役する為、ダンジョンを目指す智。

 

その途上、ダンジョンを攻略する為の拠点として見繕ったマンションの一室で、生存者でもあり智の最推しでもあるラノベ作家、優理(表紙左)と出会い、彼女を保護し仲間となり。彼女と共に、配下である魔物達と共に。少しずつ突き進んでいく、攻略への道。

 

 時に強敵とぶつかったり、時にアクシデントで格上のダンジョンの中へと転移したり。正に波乱万丈、七転八倒なその旅路。その旅路は未だ多くの人には知られていないけれど、それでも遠くの地で。実力者たちが彼の気配を感じ取る。

 

「・・・・・・こっちはもう、”兆し”が見えてきたぞ? 攻略法の、な」

 

そして目の前のモンスターの弱点を感じ取ることは出来ても。智にも感づけなかった事実がある。

 

それは、彼のスキルが特別であると言う事。そしてこの世界には、気が付かぬ間に明確な終焉の使者が迫っていると言う事。

 

ダンジョンマスター」を名乗る少女にそれを教えられ。いくら平穏を望もうとも、もう戻れない。

 

全体的に大きな枠組みの中で始まる、心躍らせるなろう的王道の冒険ものとして光っているこの作品。

 

冒険ものななろう系が好きな読者様は是非。

 

きっと貴方も満足できるはずである。

 

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