
さて、時に画面の前の読者様はホロカ、というものをご存じであろうか。正式にはホロライブカードゲーム、かのVtuberグループ、ホロライブのライバーたちがカードになっているゲーム、なのだが。画面の前の読者の皆様もVtuberと呼ばれる方の中でご存じの方も多分おられるだろう。今やVtuberという文化は世界に根付いている訳であるが。それ即ち、Vtuber界は最早レッドオーシャン、という事であろう。
それ即ち、今参入しても簡単に成り上がれる、という訳ではない。寧ろ茨の道、どころか茨の山道、のようなものかもしれぬ。この作品はそんな茨の山道を、パートナーとライバルと共に高め合いながら邁進する青春ものであるのである。
綺羅星のように輝けるのは一握り、そんなVtuberの世界で。バーチャルタレントグループの運営も行う、登録者120万人の歌い手Vtuberも在籍する会社、ユニエクス。ここの創業者でもあり社長でもある徹也の息子、颯汰。表の顔はクラスのモブ、裏の顔は大人気イラストレーター兼ユニエクスの見習いプロデューサー。
「そうなることを求められている、ってのがより正確かな」
彼は会社を継ぎたいと願い、徹也もそうなってほしいと思っていた。が、縁故で継がせるのはナシ、という事で力を示せと、あと数か月、八月末までに登録者十万超えのVtuberを育成するという課題を出され。ひょんな事からオタクと知ったクラスのお嬢様、凛音(表紙右)に目をつけ声をかけ。彼女に夢を乗せ、共に登録者十万人を目指す事に。
「この私が血眼になって探し当てた逸材だ」
「ですが。それだけで終わらせるつもりは毛頭ありません」
一歩ずつ、見果てぬ目標に向かって。そこへ差した一つの波乱。徹也から命じられたのは同じくクラスメイトの「眠り姫」、ニコ生的プラットフォームで登録者五万人を誇る天才、杏凪(表紙左)を育てろと言う事。彼に課された試練的には、彼女を育てる方が近道かもしれない。だけど、見捨てない。自分から二倍の目標を背負い込むことを決め、2人ともにプロデュースする事に。
「とっくに結果が見えてる勝負をまだ続けるわけ?」
凛音と作戦会議をしたり褒めたり、体調を崩した杏凪を助けたり。少しずつ距離が近づく中、杏凪が凛音に牙を剥き始め。彼女の混じりけのない気持ちと、残酷な事実を突き付けられた凛音は心折れてしまう。
「・・・・・・わたしとユズちゃんを、どうかいちばんにしてくださいっ!」
実感するのは目的のはき違え、己が約束を破ったという事。それでも、自分の道を進みたいから。凛音にきっちり謝罪し、杏凪に勝つ道を考え。また二人で進み始める。
「やぶさかじゃない、かもね」
二人でなら進める。負けたくないライバルがいるから、もっと頑張れる。繰り出すのは乾坤一擲の作戦。その果て、確かな結果を掴んで。三人での道が開くのである。
夢に向かい挫折し傷つきながらも進む青春譚が見どころであるこの作品。エネルギー溢れる青春が見てみたい方は是非。きっと貴方も満足できるはずである。
クラスメイトをプロデュースして、世界一かわいい人気VTuberに育て上げるまで 1 (HJ文庫 い 07-01-01) | 井坂つくる |本 | 通販 | Amazon