読書感想:転生で得たスキルがFランクだったが、前世で助けた動物たちが神獣になって恩返しにきてくれた: ~もふもふハーレムで成り上がり~

f:id:yuukimasiro:20210217222809j:plain

 

さて、突然ではあるが画面の前の読者の皆様。「努力は裏切らない」、「情けは人の為ならず」。こういう言葉を聞かれた事は人生の中で一度はあられると思われるが、果たしてそれは本当であると思われるだろうか。よく「神様」は見ているなんて言うけれど、本当に見ているのだろうか。

 

とある日本に、一人の報われぬ男がいた。努力に裏切られ周囲に抑圧され誰にも愛されず。報われぬ人生を無為に生きてきた男は、事故により死亡した後、出会った女神により99・99%の確率でチートなスキルを貰える異世界への転生を勧められ、人生の再起をかけて異世界へと転生する。

 

だが、彼の不運は世界の壁を隔てても彼に付きまとって離さなかった。シルバ(表紙中央、デフォルメ)という名を貰い、努力の果てに「神童」と呼ばれるようになった少年に発現したスキルは、「使役」と呼ばれる最底辺の力だった。

 

何処まで行っても努力には嫌われ運には見放されるのか。嘆き再び絶望するシルバ。

 

 だが、最底辺スキルを補って尚余りある出会いが彼に待っていた。彼がかつての世界で助け、愛した動物達。彼女達が世界の壁を越え、愛する彼とまた出会う為に駆けつけて来てくれたのだ。

 

元黒犬、現フェンリルなクゥ(表紙上)。 元白猫、現白虎なミア(表紙左)。元小鳥、現スィームルグなピピ(表紙右)。

 

強大な力を得ながらも、彼を愛した心は変わらずに。それどころか更に大きく。彼女達との出会い、そして使役スキルでの使役はシルバの絶大な力となる。

 

「ご主人さまはみんなを助けようとしているんだっ! そのために頑張ってきたんだっ! 報われないといけないんだっ!!」

 

そして、力だけではない。何のとりえもない、お荷物としかなれぬ自分をきちんと見て愛してくれて、認めてくれる彼女達の心。その心が確かにシルバの胸に届いている。だからこそ彼は前を向き、彼女達の主として胸を張る為に歩き出せた。

 

 

確かに自分は最低ランクのスキルしかもっていないかもしれない。戦力だってクゥ達に頼りきりかもしれない。

 

だが、それがどうした。自分は自分だ。それは誰にも否定させない。

 

芽生えた心の叫びは彼を突き動かし、進みを止めぬ心は彼を少しずつ、強さの高みへと押し上げていく。

 

「ご主人さま! 自分を信じて!!」

 

 そう、今までは確かに努力に裏切られてきた。けれど今、自分を信じてくれる大切な人達がいる。その自負と自信は強敵との戦いで大きな力となり、彼の手の中へ勝利を引き寄せる鍵となる。

 

報われるからこそ爽快で、ストレスが無いからこそ熱さがそのままに。

 

そんな読み易い面白さと可愛いヒロインが見所であろう今作品。

 

 

爽快感を味わいたい読者様、王道な熱さを楽しみたい読者様にはお勧めしたい。

 

きっと貴方も満足できるはずである。

 

転生で得たスキルがFランクだったが、前世で助けた動物たちが神獣になって恩返しにきてくれた: ~もふもふハーレムで成り上がり~ (ガガガ文庫 に 3-1) | 虹元 喜多朗, ねめ猫(6) |本 | 通販 | Amazon