読書感想:呪剣の姫のオーバーキル ~とっくにライフは零なのに~2

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前巻感想はこちら↓

読書感想:呪剣の姫のオーバーキル: ~とっくにライフは零なのに~ - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

さて、スプラッタが過ぎるオーバーキルを繰り広げ何処までも血みどろな、一周回って爽快感すらある面白さがあるこの作品。では今巻では一体、どんな敵をオーバーキルする事になるのか。

 

 と思った画面の前の読者の皆様、安心していただきたい。今巻もまたスプラッタ溢れる戦いばかりであり、そもそも「屍喰らい」を作らなくてもスプラッタである。

 

 そんな今巻の主軸の戦い、我等が主人公であるテアが鍛冶師として新たな境地へ挑まねばならぬ戦いは二つ。シェイと共に挑む討伐者を街中で狩る謎の敵との戦い。そしてエレミアが出場する、弓の腕を競う競技大会である。

 

大骸竜との戦いから五十日。「屍喰らい」の呪力が回復せぬ為、危険を冒さぬためにリザードマンや蟹等、弱めの魔獣を狙いクエストをこなす日々。

 

 そんな日々に嫌気がさしたエレミアは一時的にパーティを離脱、とある大会に出場する事となる。その大会の名は「銀鷲杯」。今までは貴族のエルフ達が社交がてら弓の腕を競う大会であったが、今年から一般参加枠も出来た大会である。

 

かの大会に出場する因縁の相手、かつての主人であるメレスに吠え面かかせる為、エレミアは故郷に戻り準備を始める。

 

 エレミア無しとなったシェイとテアのパーティへと持ち込まれるギルドからの直接依頼。街中で討伐者を狩る謎の魔獣から討伐者を守れと言う依頼。

 

しかし、ふたを開けてみればとんでもない敵ばかりだったのだ。敵はかつてシェイが討伐した六つの災厄の一体、「ビルルトンの黒犬」、その子犬が多数。そしてその子犬たちを従える、呪具の義手を用いる謎の敵。

 

 シェイとすら互角に渡り合うどころか圧倒する程の敵を前、点と点は繋がり線となる。確実に黒犬達を討伐する為、テアを貸し出すと言う条件の元、再びエレミアはパーティへと戻る。

 

再び一つとなったパーティで挑む、エレミアとシェイの強化の為のハーピー狩り。そして再び激突する謎の敵とシェイ、大会に乱入した黒犬を相手とし、己の力を示さんとするエレミア。

 

「読み書きくらい覚えるチャンスをくれよ!」

 

その高ぶる心のままに彼女は吠え、力を示す。お高い貴族なんかでは決して届かぬ、実戦で磨き抜かれた故の本当の力を。

 

リザードマンからハーピー、黒犬から討伐者達に至るまで全員もれなく、一切の慈悲なく容赦なく。運が悪かったとでも言わんばかりに、簡単にスプラッタに命が失われる。そんな中、謎の強敵の出現が世界を広げる今巻。

 

前巻を楽しまれた読者様、やはりスプラッタが好きという読者様は是非。

 

きっと貴方も満足できるはずである。

 

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