読書感想:いっつも塩対応な幼なじみだけど、俺に片想いしているのがバレバレでかわいい。1

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さて、突然ではあるが画面の前の読者の皆様。心の声のような普通の人には聞こえぬ声が聞こえるという人物は誰かと聞かれると、二次元三次元問わずで貴方は誰を思い浮かべるであろうか。もし、自分にしか聞こえぬ声が聞こえてしまったら、貴方はどうするだろうか。

 

クラスでも目立たぬごく普通の一般人ながら、親切な性格からクラスでも人気を集める少年、幸太。彼はある日、クラスに転校生としてやってきた幼馴染、綾乃(表紙)と再会する。

 

 しかし、デビューしたての小説家となっていた彼女は、過去のとある経緯から幸太に対しては冷たく、塩対応を貫いていた。

 

 そんな彼女の反応にめげそうになっていた幸太はある日、ひょんな事から助けた猫の神様、天津猫姫神からお礼として不思議な飴を授かる。その飴の効能、それは「人の心の声が聞こえるようになる」というもの。その瞬間、幸太の脳裏に響き渡る綾乃の声。その声は、朗らかに弾んでい幸太への溢れんばかりの愛を叫んでいたのだ。

 

「《よ、よぉし! 今日こそ絶対こうちゃんに告白するんだからぁ!》」

 

正にベタ惚れ、首ったけ。後は告白するだけ、そして恋人同士となるだけ。

 

 だがしかし、幸太には告白を受けてはいけない理由があった。何故なら、彼が舐めた飴は「嫉妬の神」が作りたもうた不良品であり、様々な危険な副作用があるとんでもない不良品だったのである。

 

効果は卒業するまで消えない、知られたら死ぬ、告白されても死ぬ、そして幻滅させても死んでしまう。

 

そんな唐突に訪れた命の危機を何とか避けながら、幸太は綾乃を捨てた、作家である母親と綾乃を結び付ける為に奔走していく。

 

何故ならもう彼は綾乃の本心を知ったから。あの日離ればなれになった理由も、何故そっけなくなってしまったのかも分かったから。

 

不思議な飴により、いつの間にか心の距離は縮まっていた。彼女の本心に向き合い、あの日のように思いはもう取り戻していた。ならば、後はもうやるだけ。それこそが自分にしか出来ぬ事だから。

 

時に誰かの心の声に振り回され、時に綾乃の大きすぎる恋心に驚き悶絶し。

 

そして、シリアスが訪れた時は泥臭くとも格好良く、全力で禁を犯してでも奔走する。

 

正に王道ど真ん中、バレバレな両想いのラブコメに異能というエッセンスをスパイスとして組み込んだこの作品。

 

 

ヒロインが可愛く、純粋に想いに真っ直ぐ。だからこそこの作品は甘く、故にこそ面白いのである。

 

時に辛くてだけど甘いラブコメが好きな読者の皆様、王道に直球なラブコメが読みたい読者様にはお勧めしたい。

 

きっと貴方も満足できるはずである。

 

いっつも塩対応な幼なじみだけど、俺に片想いしているのがバレバレでかわいい。1 (HJ文庫) | 六升六郎太, bun150 |本 | 通販 | Amazon