読書感想:優等生がアダルトグッズを買いに来た1 下

 

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読書感想:優等生がアダルトグッズを買いに来た1 上 - 読樹庵

 

 さて、まさかの一巻を上下巻に分割する、という方式でスタートした今作品。前巻では綾の噂を利用しようとしてきた咲良の悩み、問題を解決したわけであるが。今巻では満を持して有季の問題を解決する巻である。己の進路、という根深いお悩みに光を当てていく巻である。

 

 

 

「どうしたいんですかね? 私は」

 

既に進路を医大で決定している有季、対し綾の進路は全くの未定。進路相談で担任と面談するも、何も思いつかず、ふわっと大学に進学する、という方向性だけ告げて。

 

「頼ってくれなきゃ何もできない」

 

対し、有季は少しずつ憔悴を始めていく。意識し始める進路、医学への道。だけどそれは、己にとってはしり込みするもの、だが医系の家族の手前、言いだす事も出来ず。綾に心配されるも、咲良の綾への気持ちの告白が中学時代のとあるトラウマ、親友の失恋を招いてしまった出来事の思い出を刺激し、彼女に相談する事も出来ず。一人、勉強の檻の中へ自分から突っ込んでいく。

 

「忘れた? 傘」

 

「お節介だからさ、頼られると嬉しいんだ。頼ってよ」

 

しかしそれは、背負いすぎる有季にとっては悪手。勉強にのめりこみすぎて体調を崩し、一眠りしてから気分転換に散歩に出たら、雨が迫っているのに傘を盗まれてしまい。一人、雨に濡れる所へと駆けつけてきたのは、周囲に原因を聞きまわっていた綾。あの日と変わらぬお節介で、寄り添って。やっと有季は少しだけ話すことが出来て。結果、綾の家に泊まる事に。

 

「―――今日、ここから友達になってほしい」

 

ここから始まるのは有季の問題への向き合い。咲良に対し一方的に感じていた引け目を電話して、ぶつかり合って彼女の本心を聞いて。友達の友達、ではなく友達になって。

 

真昼や咲良も誘って向かうのは、皆での学校サボりの上でのピクニック。ちょっとだけ早い紅葉狩りを楽しむ中、綾は真昼から薫陶を受ける。マイナスを選ぶのだって人の権利、だから思うがままに背中を押せばいいと。

 

「―――頑張れ」

 

有季が欲しがったのは、頑張れという背中を押す言葉。それを届け、有季も覚悟を決めて。両親に医大以外の道を進んでみたい、と告白し割とあっさりと受け入れてもらえて。

 

「私も、水城さんが好き」

 

「・・・・・・背中を押す役割も、悪くないと思ってる。今は」

 

未来に進みだし、全てから解き放たれた有季が抱くのは、綾への恋心。綾が抱くのは、未来への展望。それぞれに進みだし、本格的に関係が幕を開けるのである。

 

前巻と合わせて一セット、本格的に歩きだしていく今巻。前巻を楽しまれた読者様は是非。きっと貴方も満足できるはずである。

 

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