読書感想:家事代行のアルバイトを始めたら学園一の美少女の家族に気に入られちゃいました。5

 

前巻感想はこちら↓

読書感想:家事代行のアルバイトを始めたら学園一の美少女の家族に気に入られちゃいました。4 - 読樹庵

 

 さて、前巻にて綾香の家で晴翔と祖母が住むことになりもはや一つ屋根の下、恋人を通り越して夫婦、ともいえる関係性になってきている気がする訳なのだが。ここまで読まれている読者様であれば第二章、ここで長期的に向き合うべき問題はもうお分かりであろう。両親には認められた、だがまだ学校では認められていない。綾香の過去の傷と向き合う、という意味でもそれは長期的に向き合うべき問題な訳である。

 

 

さて、今巻では二学期が始まる訳で。いちゃつける時間が減る中、二人の事情を知る雫も立ち上がる巻なのである。

 

「後ろ姿だけじゃ判別不可能だろ?」

 

二学期開始早々、取り囲まれて質問攻めにあう綾香。その理由というのは、どうも夏祭りで晴翔と一緒にいたのが目撃されたらしい、という事。幸い晴翔の顔は見られなかったので正体はバレず、けれどそのせいで学校ではより近寄れなくなってしまう。

 

「わかりました。私が協力をしてあげます」

 

学校では秘密と決めたのは綾香であるのである意味仕方ないかもしれないが、それでも寂しさは募るもの。それを見かね、雫が動き出す。彼女の動きは何をするのか。まずは始まりの一手。綾香と友達になり多少強引に一緒に行動し、晴翔と一緒に行動する時間を増やして。少しずつ、まるで浸透させるように。彼と綾香が一緒にいるのが自然、という空気を作り出そうとしていく。

 

「じゃあさ、明日デートしよ?」

 

「晴翔って呼んでもいいかな?」

 

そして余人の目を交えぬ休日は二人の時間、恋人同士としての時間。テストにて全教科八十点以上という挑戦を成し遂げた綾香のお願いで、恋人同士としての初めてのデートに臨み、恋人同士として楽しんで。それが普通だから、と勢い込んで名前の呼び捨てを提案して。恋人同士として、無事に少しずつステップを進めていって。

 

「子供の特権は親に甘えることなの」

 

そして修一と郁恵も、晴翔の事をさらに受け入れていく様子を見せる。その育ちから大人びている、逆に言えば大人びすぎていて甘えることを知らぬ子供、な彼。そんな彼をまるで実子を甘やかすように接し、親のように接して。綾香の知らぬ場で、お酒の勢いもありつつも彼の事をより、家族として受け入れていくのである。

 

新章が本格的に動き出し、より甘さをコク深く深めていく今巻。前巻を楽しまれた読者様はぜひ。きっと貴方も満足できるはずである。

 

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