
さて、教師もののドラマといえば、ごくせんやルーキーズ、三年B組金八先生、などがあるであろう。問題を抱えた生徒たちに向き合い、寄り添い、更生させていく。しかし最近、教師もののドラマというのはあまり見なくなった気がするのは私だけだろうか。だとしたらなぜなのだろう。表現の問題、のようなものもあるのだろうか。
さて、という訳でこの作品の感想に移っていく訳であるが、この作品はどんな作品なのか。この作品は大賢者である転生者、ギル(表紙右)が母校の臨時教師として赴任する物語であり。怠慢な生徒やふがいない教師、モンスターペアレントにより腐敗した母校を多少力づくで立て直していくお話なのだ。
「やる気や才能のある生徒まで成長できないの環境になりつつあるのが問題なのじゃ・・・・・・」
「さすがにそれは教育機関として終わっているぞ・・・・・・」
前世は三十五歳で亡くなった日本人教師、この世界に転生して二十四年。ひたすら研究にふける彼の元に現れたのは、旧知の相手であり今年から母校であるバウンス国立魔術学院の学院長となったエルフ、アノン。話を聞くとどうも教育機関として終わり気味との事で。アノンから大きな借りの分のお願いを使われたことで。彼はギークという偽名で、臨時教師として赴任する。
さて、ではこの学院は何処まで腐敗しているのだろうか。それはもう、とんでもないほどに。裏口入学が横行し、傲慢な貴族生徒に教師がこびへつらい、才能ある平民の生徒が陰湿ないじめに遭う。正に腐敗した、もう崩壊しているといっても過言ではない、教育現場。
「短い期間だがよろしく頼むぞ、クソガキども」
「三人同時に相手をしてやる」
文字通り権力の横行、権力こそが正義。しかしギルには関係ない。大賢者であり今やこの世界の快適な生活を支える技術に深く根差した彼にとって、権力なんぞどこ吹く風である。横暴な問題児どもをまとめる為にまずは実力を見せつけ。才能ある生徒を襲う問題にはきっちり焼きを入れ、ついでと言わんばかりに絡んでくる闇の組織は片っ端から壊滅させて。
「それでは授業を始める」
そして力を見せつけるだけではなく、きちんと生徒たちの面倒を見る。教えてほしいと請う子供たちには、躊躇うことなくきちんと教える。そんな彼の授業、それは少しずつこの学院の空気を変えていく。第三王女、エリーゼ(表紙左)や才ある少女、シリルといった生徒たちに放課後指導する事も増え始め。少しずつ、彼を中心に、学院は良い方向へ変わりだす。
「そしてこれもまたとない機会だ」
環境が整ったのならば、子供たちの成長は早いもの。それこそ大人の想像を飛び越えるほどに。それをギルは喜んで。大賢者としての力を、強大な魔物相手に見せつけていくのである。
最強な教師による格好良い活躍が見どころであるかもしれないこの作品。教師ものの熱さを楽しみたい方は是非。きっと貴方も満足できるはずである。
Amazon.co.jp: 異世界転生した元教師、【臨時教師】として崩壊した魔術学園を救う。 (GA文庫) : タジリユウ, Siino: 本