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読書感想:バズった?最強種だらけのクリア不可能ダンジョンを配信?自宅なんだけど? - 読樹庵
さて、前巻にて「アマテル」という名目で配信を始めた大和であるが。彼にとっての家族、それは神話級の邪神だったり生物だったりする訳で。彼が気づいていないだけで、その配信の一挙手一投足は世界中から注目されている、という訳である。という訳で今巻ではどうなるのか。というと。より世界に混乱を起こしつつ、彼を中心に世界がより動き出していく巻なのだ。
「俺がやらなきゃいけないやつなのか」
前巻、大人気配信者である「ルシオラ」を助けたことで、知らないところでバズっている、とも知らず今日も今日とて同居人であるクーやらエリと一緒にのんびり過ごしている中、来ていたのはルシオラからの連絡。簡単に言うと国家機関に報告してね、という事であり。
「すみませんがそこは秘密ということで」
とにもかくにも、大和からすれば国家機関を敵に回すのは避けたい事態。止むを得ず、エリをお供に仮面で顔を隠し機関を訪ねて。結果、顔は分からぬけれども「アマテル」は実在の人物として認知される。
「本音を言うと男友だちが欲しいんだけど」
顔は分からずとも強者と分かるオーラを出していた、と勿論気づくわけもなく。一人くらいは男友だちが欲しいな、と思う大和のこの頃。 だがその裏、大和の行いが世界に阿鼻叫喚の大騒動を巻き起こしていたのだ。
切欠は、「青月鉱」というダンジョン産の鉱石を売ってくれないか、というお願い。この鉱石、防具に一グラム混ぜるだけでもとんでもない防御力を発揮させるものだが、大和がぽんと売ってしまったのは十グラム。さらに今度は、「紅月の涙」というこちらは武器に使うととんでもないものとなる鉱石を、国家機関に卸して。それがトップ冒険者たちの手に渡り、現段階最強クラスのダンジョンを攻略する力になる。のだが、すぐにもっと凶悪なダンジョンが発見され、世界からダンジョンは消えず。
「土日になればいいよ」
「あれだけの猛者なら、生活に困ってるとは思えません。ただの気まぐれなんでしょう」
しかし大和は気が付かない。国から人間性を勘違いされているというのも知らず。甲斐谷さん達友人たちとカラオケに出かけたり、クーとお出かけしたり。ダンジョンに住んでる家族、吸血鬼のアルカやドラゴンのリズ、雪女のスカジと触れ合ったりしながら。前巻で助けた外国の娘、ジェニーとリアルで会ったりもしつつ。相も変わらず穏やかな日々を当たり前に過ごしているのであった。
ほのぼの淡々な面白さがより深まる今巻。前巻を楽しまれた読者様はぜひ。きっと貴方も満足できるはずである。
Amazon.co.jp: バズった?最強種だらけのクリア不可能ダンジョンを配信? 自宅なんだけど? 2 (ダッシュエックス文庫) : 相野 仁, 桑島 黎音: 本