読書感想:学園の三大美少女様を昔助けたのが俺だとバレた。それから彼女達の様子がおかしくなった

 

 身バレ、という言葉があるのは画面の前の読者の皆様もご存じであろう。身バレ、つまりは正体がバレる事。例えばVtuberのような素顔を出さない配信者にとっては、避けるべき事象であろう。例えばスーパー戦隊ウルトラマン仮面ライダー等の正体を隠し人々を護るヒーローからすれば、正体バレもとい身バレ、というのは一つストーリーの山場、ともいえるイベントであろう。この作品はそんな、「身バレ」から始まるハーレムラブコメであり。同時、ヒロイン誰もが勝ち残りを目指し争い合う、ヒロインレースものなのである。

 

 

とある高校で有名な三大美少女。柚月(表紙中央)、現役モデルの来栖(表紙左)、生徒会長の詩織(表紙右)。仲良しな三人には、幼少期に似たような過去があった。柚月は火事の現場、来栖は野良犬に襲われた時、詩織は泳げないのに泳ごうとして溺れかけた時。顔も知らぬ「王子様」、正体不明の男の子に文字通り命を救われた、という記憶が。

 

「・・・・・・毎度のことながら、ほんとバレるんじゃないかってヒヤヒヤする」

 

その王子様、ヒーローは実は意外とすぐ傍に居た。幼少期、ヒーローに憧れていた少年、司。柚月の幼馴染である彼は、実は幼少期変身ヒーローのお面を被って人助けをして回っていたも、成長してからはその過去を黒歴史として封印していたのだ。

 

「はぁ・・・・・・まさかこんな形になるなんて」

 

が、しかし。柚月の幼馴染として傍に居る以上、いつかバレてしまう時は来る。大雨に降られ司の家に逃げ込んだ時、司の着替えを探していた柚月が見つけてしまったのは、彼が昔付けていたお面とマント。 期せずしてバレてしまい、助けたいから助けたと告白し。司の方は過去の清算、に成功する。

 

「はぁ、灯台下暗しか」

 

だが柚月の方は急に知ってしまった真実に揺れ、距離感に惑う。どう接していいかも分からぬ中、来栖の方も司がかつて自分を助けてくれた相手と知り、また一つ謎が解ける。

 

「ここからが本番、これからはヒロインレースです」

 

更に程なくし、司にいきなりデートを申し込んできた詩織。その終わりに伝えてくるのは、実は誰よりも最初に気付いていたという事。残り二人が気付くのを待っていた、という彼女の宣言から始まるのはヒロインレース。

 

柚月と来栖が密着して来たり、三人がテスト勉強のために彼の家に勉強会に来たり。その先に待っているのは林間学校。その最中、いじめられていた少女を守る為、司の様に庇おうとした柚月が崖下に落下してしまうという非常事態。

 

「俺が危ないのはどうでもいいんだよ」

 

その場へ駆けつけた司が取る行動は。普通であれば誰かと合流し、捜索するのが正解であろう。だが、そんな正解は知った事ではない。危険なんぞ知った事か、今一人孤独な柚月を助けに行かずにどうするのか、と。 黒歴史と思っていても、その心に秘めたヒーロー性、正義感はまだ燃えている。躊躇いなく崖下に飛び降りて、助けに向かい。無事に助け出すことに成功するのだ。

 

正にヒーローな、好感の持てる熱さな主人公が眩しくラブコメは甘い。正に面白さあふれるラブコメであるこの作品。真っ直ぐに面白いラブコメを見てみたい読者様は是非。きっと貴方も満足できるはずである。

 

Amazon.co.jp: 学園の三大美少女様を昔助けたのが俺だとバレた。それから彼女達の様子がおかしくなった (GA文庫) : 楓原こうた, みんとあいす: 本