読書感想:ラブコメ漫画に入ってしまったので、推しの負けヒロインを全力で幸せにする2

 

前巻感想はこちら↓

読書感想:ラブコメ漫画に入ってしまったので、推しの負けヒロインを全力で幸せにする - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 さて、前巻を読まれた読者様は司の尽力により、主人公であり司の親友でもある勇一を取り巻く三角関係が本当の意味で始まった、という点は覚えておいでであろう。ではこの作品はそんな主人公を取り巻く三角関係をメインに光を当てていくべきなのか、と言われるとそうではない。彼等のラブコメはもう走り出しているのである程度流れに身を任せていても問題はない。では何を描くのか。それは勿論、司と聖の恋路である。

 

 

「そ、そうか。さすが私の彼氏だ」

 

「あ、やべ、鼻血出た・・・・・・」

 

「なんでだ!?」

 

前巻で電撃戦と言わんばかりの速度で本丸を落とし心を射止め、付き合いだした司と聖。しかし聖の意向で人前では付き合っていると言う事実を隠し、水面下では不器用にいちゃついて。相も変わらず司が聖の可愛さに鼻血を吹き出したりする中、彼等の通う学校では球技大会の季節が巡ってくる。男子の競技である野球に向けて司と勇一が準備を始める中、聖はバスケで別のクラスである歌織と戦う事になり。その前に練習でスポーツセンターでデートしたりと、確実に司との絆を積み重ねていく。

 

 しかし、球技大会本番当日。聖の心を揺らす光景が目の前で繰り広げられていた。自分のこっそりとした応援で奮起し、野球でいぶし銀的な活躍を見せる司。その様子を見た他の女子達が、司を狙おうと動き出そうとしていたのである。仕方のない事かもしれぬ、だって付き合っているとは友人以外にバレていないのだから。けれどそれでも、もやもやする。やきもちが募っていく。そんな彼女へと歌織は、司との交際の公表と言う罰ゲームを賭け、挑んでくる。

 

勿論恥ずかしい彼氏ではない。歌織のいう事も分かる、明かしたいと言う思いもある。

 

「私は大事な宝物を・・・・・・誰にも見せずに自分だけのものにしたいタイプなんだ」

 

だが、自分が望むのは秘める恋。見せつけたくない、自分だけのモノにしたい。それは可愛らしい独占欲。その独占欲に応える様に、司もまた聖の元へ駆けつけ、二人だけで打ち上げを過ごしていく。

 

「今、司がしたいと思ってることを、することが・・・・・・ご褒美じゃ、ダメか?」

 

 密やかに、秘めやかに。明かす恋もいいものだけど、秘める恋もいいものだから。そう言わんばかりに、二人の距離はどんどんと詰められ、ゼロになっていく。もっともっとと、更に濃さと甘さを増していく。

 

新しい人間関係も増え、勇一のラブコメが少しずつ賑やかに進んでいく中、爆速で突き進んでいく司と聖の恋。その甘さが心の栄養にさらになる今巻。

 

前巻を楽しまれた読者様は是非。

 

きっと貴方も満足できるはずである。

 

ラブコメ漫画に入ってしまったので、推しの負けヒロインを全力で幸せにする2 (角川スニーカー文庫) | shiryu, バラ |本 | 通販 | Amazon