
さて、探偵と言うのは謎を解くものである。事件現場に現れて謎を解き、犯人を突き止めるものである、というのは画面の前の読者の皆様もご存じであろう。探偵が謎を解くからこそ、ミステリーというジャンルは成り立つのである。ではこの作品はどんな作品なのか、というと。題名に探偵、という単語を入れながらも実際は異能バトルもの、と言えよう。
ではこの作品にはミステリー、探偵ものの要素はある。それは主人公、早見諫早(表紙右)を殺した相手は誰か、ということ。誰が殺したクックロビン、いや本当に死んでいるのか? その辺りもお話に関わってくるのだ。
目が覚めたら見知らぬ部屋、何も思い出せない、全ての記憶を失くしていた青年。何かヒントはないかと周りを探してみれば、残されていたのは誰かが書いたメモ帳。そこに書かれていたのは、凛音(表紙左)という少女を頼れ、ということ。
訝し気な彼女は、しかしそのメモ帳の持ち主に心当たりがあるらしく。そこに書かれていたのは、能力者達を徹底管理し、悪を滅する組織「究明機構」のナンバー2であった早見諫早を殺した相手、組織を探してほしいという依頼。
「何も知らないから―――知りたいんじゃないか」
そしてどうも、早見諫早というのはこの自分であるらしい。自分が二人いる、死んでいて生きている、どういうことか。 生前の自分に依頼をしようとしていたらしい彼女の願いを聞くと請け負い、「魔女」という異能を持つ彼女の眷属として。早見諫早(仮)は凛音と共に捜査を開始する。
さて、ここよりはミステリーも絡まってくる。そしてミステリーと言うのはネタバレ厳禁、犯人を語ってしまったら詰まらないであろう。故にこれよりは、かなりふわっとした感想となる事をご容赦頂きたい。
仲間に襲われ、自分の異能も分からず。凛音の「魔女」の力で何度も時間を巻き戻しながら。ある時は女子高生、ある時はメイドさんと激突したりしつつ。 探っていくのは死の真相。
早見諫早は死んでいる、しかしここに生きている。それは一体どういう意味なのか。そこに関わるのは、自身の異能、「楽園」。 その楽園の扉を開いた時、真実は明かされる。ミステリの犯人は、意外とすぐ近くにいるというお約束と共に。
「だからきっと―――寂しくないわ」
だけど、まだ事件は始まったばかり。事件の下手人、までは掴んだ。だけどどうも、やらかした事が個人の範疇にしては大きすぎる。予想されるのは、バックに更なる大きな組織がいると言う事。つまり、事件はまだ終わってはいないのだ。
異能バトルとミステリが絡み合い、中々に骨太なこの作品。頭を使うお話を見てみたい方は是非。きっと貴方も満足できるはずである。
Amazon.co.jp: ※ただし探偵は魔女であるものとする (ダッシュエックス文庫) : ぷれいず・ぽぽん, Siino: 本