読書感想:お兄様は、怪物を愛せる探偵ですか? ~沈む混沌と目覚める新月~

 

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読書感想:お兄様は、怪物を愛せる探偵ですか?2 ~とぐろを巻く虹~ - 読樹庵

 

 

問う、災厄とは何か? 今こそ問おう、あの日何が起きたのか? 葉介が追い求め続けてきて、掴みつつある荒唐無稽と予想される真実とは何か? 最終巻となる今巻は、全ての謎が明かされる巻であり。全ての線が一本に繋がる巻なのである。

 

 

 

「父上が何者かに殺害されました」

 

あの日、夕緋を娶ろうとして彼女を守る為に、「人食い鬼」という幻想を解体して無力化した義父。瑠佳が新たな妹になって少し時間が経ち、穏やかな時間の中で。久方ぶりにあった姉、零胡が告げてきたのはその義父が何者かに殺害されたと言う事。長兄である純夜が裏切り者は殺すと宣言する中、葬儀と言う意味も兼ね事件を捜査する事に。

 

容疑者は六人。「悪魔」の力を持つ純夜、「ドラゴン」の力を持つ衣吹、「狼男」の力を持つ玖郎、「ゴルゴン」の力を持つ静、「風神雷神」の力を持つ心絃、「雪女」の力を持つ零胡。胸に大穴を開けられた義父の死体、しかし飛び散った血は妙であり、更にその遺体には「災厄」の被害者と同じ特徴が見受けられ。兄姉たちに話を聞いていくと、疑わしい人物への解釈は別れ。しかし気づいたのは勘違いをしている、という事。

 

「―――俺もそれが知りたいんだ」

 

その気づきは義父殺害の犯人までは行きつく。しかし犯人に話を聞いてみれば、どうも胸を貫いたのは犯人だが、「災厄」に関しては関わっていない、そもそもそんな殺し方出来ないと言う事。つまり、「災厄」の犯人は別。そんな中、義父の死により封印されていた朔の討伐指令。姉たちが味方してくれて、討伐開始までの二十四時間の猶予を貰い。葉介たちは封鎖された生まれ故郷、折月市へ。

 

「彼らは、折月市を救いたかったのでしょう」

 

災厄の獣を解体するのに必要なのは何か、それこそは証言。それをしてくれそうな相手は災厄前日、唯一の転出届にあった名前、市長の娘の歌菜。市長の家、そこで掴むのはじつはその歌菜は傍に居たという事。そして、災厄の事実の一端。鍵となるのは誤検知された地震。 それはお役目の一端、悪意も何もなく行われたのではという事。

 

そこにあったのは、大きな所にいる者達の思惑。何故葉介と朔だけは生き延びた、それは彼らの中にあったものの量の理由。 恐れる事を無くすため、互いに話し合い誤解を解き。

 

「協力すれば、どんな謎でもすぐに解けるさ」

 

いよいよ向き合う、朔へ。それを解くという事は幻素が真犯人へ流れ第二の災厄のピンチになると言う事。だけどそれでも、朔が戻れば大丈夫と信じ。

 

「でも―――それは違うよ」

 

そして最後に向かい合うのは真犯人。解体に必要なのは、人間の証明。そこにあるのは、生まれの中に確かにあった愛。愛されるのならばバケモノではなく、人間だから。最後の謎を解き明かし、やっと全ては終わるのである。

 

怪物と言う謎を愛する、最期まで謎とバトルに溢れた今巻。どうか皆様も最後まで是非。

 

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