読書感想:誘惑だらけの美少女ハーレムパーティーに1人、魔王が紛れ込んでいる!?

 

 さて、時に画面の前の読者の皆様は「獅子身中の虫」、ということわざをご存じであろうか? 簡単に言うと、味方の中に潜んでいる敵、といった感じの意味となるであろうものだが。味方の中に潜んでいる裏切者、というのは我々一般人からすれば多分、あまり遭遇しないシチュエーションであるかもしれない。政治の世界とかならともかく、ごく普通に生きていれば多分、そんなシチュエーションには遭遇しないであろう。

 

 

という訳でこの作品はどんな作品か、というと。タイトルそのまま、一巻で綺麗に完結している作品である。勇者として召喚され魔王の脅威を取り除くための旅の最中、パーティーの中にいるはずの魔王を探していくお話なのだ。

 

「なるほど・・・・・・それがあなたの未練ですか」

 

女癖の悪い兄、カズキを持つ少年、神矢。兄の修羅場に巻き込まれ、咄嗟に庇った幼馴染の姉貴分、アヤカを姉と言ってしまったのが前世の後悔。死後、魔王の脅威にさらされる異世界の女神にその魂を召喚され、魔王討伐を依頼され。様々なチートスキルと、自分で選んだ「魅了耐性」というスキルを持って、異世界へ・・・

 

「え・・・・・・まじで終わりなの?」

 

・・・召喚されたのは良かったのだが。召喚直後、何故か極秘だったはずの召喚の儀式を察知した魔王が襲撃してきて、そのチートスキルであっさり討伐。まるでRTAがごとき速度だったが、これで終わると数十ページにしかならぬ。魔王の脅威を完璧に取り除くため、「常闇の魔石」なる力の源を破壊する為、魔王城を目指すことに。

 

旅の仲間となるのはこの国一の騎士、セシリア(表紙中央)、聖女のフィオナ(表紙右)、至高の魔法使いのアイリス(表紙左)。魔王城を目指して出発、道中で襲い来るのは魔族四天王を始めとする敵たち、そして何故か誘惑してくる仲間達。が、「魅了耐性」によりその誘惑は聞かず。三者三葉に地団太を踏む中、魔族四天王の一人、「堕ちた賢者」との戦いの中、神矢は気づく。どうも仲間の中に魔王がいる、という事に。

 

「時には攻め方を変える必要があるということか」

 

「堕ちた賢者」との戦いの中、三人も、幻影に取り込まれそうになっていた神矢を見、三人で結託する事を決意する。 旅が続く中、魔王の正体を探る神矢が知る事になるのは、フィオナの、アイリスの隠された素顔。そういうのもいい、とあっさり受け止め、好意が暴走しそうになったアイリスも受け止め。三人それぞれの中に芽生えるのは、義務ではない本気の恋。対し神矢が深めていくのは、疑惑。

 

「あなたは自力で気づいたのね。すごいじゃないの」

 

「さあ、どうしたいのですか、勇者様?」

 

その疑惑は、サキュバスの女王との戦いの先に結実する。やはり魔王は仲間の中にいた。魔王が告白したのは、何故魔王になったのかという来歴と、神矢への気持ち。魔王として敵対を選ぶ彼女、だが神矢は残る二人の仲間に諭され背を押され。助け出すために魔王城へと駆けつけて。

 

「世界を敵に回してでも俺が受け止めてやる」

 

叫ぶのは己の思い。君がいなくちゃ、皆でなければ意味がない、と。叫び、魔王を助け出し。常闇の魔石をぶっ壊して全てを終わらせ、平和になった世界へ進んでいくのである。

 

ちょっとエッチで、心熱くなるこの作品。綺麗にまとまった作品を読んでみたい方は是非。きっと貴方も満足できるはずである。

 

誘惑だらけの美少女ハーレムパーティーに1人、魔王が紛れ込んでいる!? (GCN文庫 タ 02-01) | 高野ケイ, むつみまさと |本 | 通販 | Amazon