読書感想:異世界リーマン、勇者パーティーに入る3

 

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読書感想:異世界リーマン、勇者パーティーに入る2 - 読樹庵

 

 

 さて、前巻まで営業のハヤシと、勇者アレク達のパーティーによる魔王討伐の為の冒険を繰り広げてきた訳なのだが。画面の前の読者の皆様もこの作品の中での魔族、は多々ご覧になられてきたであろう。イライザを始め、魔族と言うのは悪い奴らばかりでもない。意思疎通も可能であるし、何なら感情は人間と変わらない。ならば殺すしかないのだろうか。分かり合うという事は出来ないのか。

 

 

その辺りについても触れていきつつ、残る伝説の装備の一つ、「太陽のガントレット」を捜しに行くのが今巻であり。いよいよ決戦を迎える巻なのである。

 

「そんなとこまで空気読まなくていいんだよハヤシさん!!」

 

「呪いを解くカギは、汝にある」

 

まずは伝説の装備を探す旅の途中。偶々遭遇した空飛ぶ神殿、転職の神殿に立ち寄って、ハヤシが「企業戦士」なる職業に転職してみようとしたら、彼にかかった呪いが周囲に伝播、大騒動となり。一方的に通信を送りつけてきたレオンの師匠、ニコラがどちらかというと呪いではなく契約だ、と看破したり。

 

「こちらから営業に参りましょう」

 

「めちゃくちゃ好きじゃん」

 

そんな事もありつつ、道中で出会うのは食いしん坊な魔族四天王、オーガのバルバ。美味しいものが食べたいだけの彼と、近くの村の仲立ちをハヤシがして、人と魔族の共存を小さくも成し遂げたり。 イライザがハヤシの夢の中に入り込むも何も出来ぬと落ち込んだのを目撃して、ハヤシへの好意に気づいたり。

 

「魔王であれば、魔王であるというだけで―――倒すのか?」

 

そう、倒すだけじゃない。分かり合う事だって出来る。では魔族と仲良くできるのなら、魔王とは? 人間の剣聖への復讐に燃える魔族四天王、剣士のクロードから問いかけられ悩むアレク。そこへ襲来するのは魔王。各地の魔物が暴走を始めるも、今までハヤシが繋いできた各地の縁が、各地を守る力となって。だが魔王城での戦いの中、ハヤシが魔王の魔法で魂の牢獄に捕まってしまう。

 

「お前らなんかに、ハヤシさんはもったいない!!」

 

大空のブーツの力で飛び込んだ魂の牢獄、それはハヤシの日本での光景。虐げられ認められぬブラック企業そのものの姿。抱くは、怒り。ブチ切れてハヤシの上司を殴り飛ばし、ハヤシを連れ出して。

 

「世界を半分差し上げますので、和解いたしませんか。そういったお取引のご提案です」

 

「勇者の方々が、命を賭して戦っても―――平和は長く続かない」

 

ここは任せてと言い出したハヤシ、彼が魔王へ持ち掛けるのは、共存への商談。魔王と言う脅威を無力化し、人間と魔族を共存させ。 これからの犠牲を減らすための、有意義な話。

 

「これでやっと、胸を張って―――勇者パーティーの一員だと、言える気がいたします」

 

その話は受け入れられ、誰も予想できない共存へと世界が歩き出していく中。元の会社を辞し、真の意味で「勇者パーティーの営業」となって。ハヤシも仲間と歩き出していくのである。

 

営業マンだからこその戦い、解決が光る今巻。最後まで皆様も是非。

 

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