読書感想:やさぐれ召喚者は動かない2

 

前巻感想はこちら↓

読書感想:やさぐれ召喚者は動かない - 読樹庵

 

 さて、前巻にて妻であるメイリーンとの間に息子であるレオンも生まれ守るものが増えたケンタの平穏な生活、であるが。彼も別に世界に敵意を向けている、というのとは少し違うというのは前巻を読まれた読者様であればお察しではないだろうか。究極的にはどうでもいい、それに尽きる。自分の大切な人、小さな世界以外は敵対するなら滅ぼすだけ。逆に言うと、最初から敵対しなければ割と交渉の余地はある、と言えるかもしれぬ。

 

 

という訳で今巻では主に、アドモス王国に召喚された召喚者とぶつかり合う事になる巻であり。二人召喚された若者たち、その命運がはっきり分かれる巻なのだ。

 

「・・・・・・俺なんにもしてないのに、なんでこんなに懐かれたんですかね?」

 

アドモス王国に召喚された二人の召喚者、光彦(表紙右)と優斗。王国内で早速戦闘訓練が始まる中、異世界召喚で得た力にかまけて魔法を磨くとまともに訓練もしない優斗。対し光彦は地道に強くなろうと剣術の練習に励み。騎士団長や末姫であるエヴァ(表紙中央)にも気に入られる結果に。

 

「今・・・・・・こんなにもエヴァが欲しい」

 

しかし召喚者は新たな戦いの呼び水。勇者の命を狙い魔族が侵攻を開始、優斗はまだ魔法が使い物にならぬと戦場に出ぬ中、光彦は戦場へと駆り出され魔族の命を沢山奪う結果に。結果、心はすり減る。その傷ついた心をエヴァに癒された事で急速に結ばれ、それを国王に知られて。捨て駒代わりにケンタと刺し違えてこい、と送り込まれてくる。

 

「じゃあ、今度は俺の話をしてやるよ」

 

「お前、最高!」

 

戦いになる・・・・・・と思いきや、ケンタの中に敵意を感じなかった事で光彦は敵意を持たず。結果、ケンタに生かされ全部の話を聞いたことで、ちょっと生意気な後輩ポジションとして味方になる事に。エヴァもこっそり連れ出して、仲間的な存在が増える。

 

「オータを放逐せよ」

 

「・・・・・・こんな草も何も生えてない荒野じゃなかった」

 

そういった騒動後、あまりにも役に立たぬことで優斗は見放され放逐、アドモス王国は更なる召喚を試みようと動き出し。モナの諜報でそれを知り、アイバーンと光彦と共に儀式の行われる遺跡に先回り。そこで感じたのは違和感、うろ覚えだけどこんな荒野じゃなかったはず、という話。推測したのは、召喚術というのは土地の魔力を使い行っているからこそ数十年スパンであり。短期間に何度も行われた今は、飢饉が起きるレベルで土地が枯れてしまったのでは、という事。

 

「俺は、敵に情けはかけない」

 

つまり、召喚の儀式が行われるリンドア王国は大飢饉の危機に見舞われている。聖者なら助ける、だがケンタはそうしない。何故なら敵対したのだから。放置した結果、リンドア王国からは王族も貴族も平民もすべての人が逃げ出し、国まるごと廃墟になる事に。

 

「マジで腐ってんな」

 

そんな事もまぁどうでもいい事。お米が食べたい光彦のお願いに根負けし、転移で別の国の農村へ。そこの米に満足しなかった光彦の願いで品種改良に挑むことになり、リンドア王国の廃村を勝手に借りて。賑やかである程度平穏な毎日の中、芽生えるのは次の不穏の気配。モナのミスから魔族の諜報部隊がケンタの隠れる森に来てしまい、追い返すことになるのだ。

 

新たな仲間も増え、より世界観深まる今巻。前巻を楽しまれた読者様は是非。きっと貴方も満足できるはずである。

 

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