読書感想:フルメタル・パニック! Family3

 

前巻感想はこちら↓

読書感想:フルメタル・パニック! Family2 - 読樹庵

 

 さて、皆懐かしい者ばかり、あの者たちは今的な同窓会的シリーズでもある今作品。今巻でメインを張るのは、前巻で登場しているのでもうお察しであろう。テッサこと、テレサ・テスタロッサ大佐である。本編ではかなめと並ぶWヒロインでありとても人気の高かった彼女。本編短編集最終巻では今後の展望的な事をちらりと語っていた彼女は何をしているのか。その辺りに触れていく巻である。

 

 

そして、実は今巻においては彼女だけではない。本編を読まれている読者様であればご存じであろう。あの伝説の用務員、大貫さんの事を。キレるとチェーンソー振り回して大暴れし、スパロボに出演した時は人外よりの他作品主人公にも驚かれるほどの身体能力を出していたあのご老人。年齢的にはもう用務員は引退していてもおかしくないのだが、あの人も何をしているのか。その辺りにも触れていく巻である。

 

「やめろ。母さんには見せるな」

 

ではまずテッサは何を持ってきたのかから語っていこう。今は能力者を保護して助け合う組織、「ハウリング」を立ち上げ指揮しているらしい彼女。彼女が持ってきたのは、エーゲ海のリゾート島の一つにいるギャング、ダディッチの邸宅にあるノートPCからデータを引き抜きたいというお仕事。 電波状況的に直接繋ぎに行くしかなく、しかし表の人間関係もありかなめは顔が割れているため接近できず。結果、家族を大事にする彼の懐に潜り込むため、宗介とテッサが夫婦、夏美と安斗が子供として偽りの家族で乗り込むことに。

 

「それが多分、わたしの限界だったんでしょうね」

 

最初の接触はうまくいく、も夏美、安斗それぞれが小さなやらかしをし不安要素が残ってしまう。翌朝、夏美にテッサが語ったのは、宗介を好きになった理由、かなめに勝てなかった理由。何故勝てなかった、それはきっと、見えているものが違ったから。反芻も間もなく、ダディッチから招待を受け向かって。止むを得ず作戦開始、となるも結果七転八倒、子供たちが動き回り中々にかき乱されて。

 

「なんのために書いているのかわからなくなってるよ」

 

結果、最後はドンパチ騒動、結果的にはベターくらいに収まって。次なる再会は大貫さん。夏美が神保町で開かれる大ファンの作家のサイン会に出かけるという事でついていってみれば、何とその作家こそが、大作家になっていた大貫さんで。彼のお家に招かれ聞くのは作家としての苦悩。人気作家になったからこそ求められるもの、という人気だからこそのお悩みで。

 

『八つ裂きで眠れ』

 

そこへ侵入してくるのは宗介たちを狙う下手人共。が、下手人共は悪手を打ってしまう。大貫さんの書きかけ原稿が収まったタブレットPCを破壊してしまうという大悪手を。あの日のように目覚めるバーサーカー、当然とんでもない事になってしまうのであった。

 

作者様の悩みも垣間見える、ちょっと悲哀も垣間見える今巻。シリーズファンの皆様は是非。きっと貴方も満足できるはずである。

 

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