読書感想:夏目漱石ファンタジア2

 

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読書感想:夏目漱石ファンタジア - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 さて、夏目漱石樋口一葉の身体で蘇り、野崎英世と共に死を歪められた彼女にとどめを刺した、という文字にしただけだとどういう事なの、とツッコミたくなる事が前巻で繰り広げられたわけであるが。前巻で色々ぶっ飛んだ方向へやらかして今度はどんな方向へ進んでいく訳か、というと。今度は外国の偉人まで絡んで歴史も絡めて大騒動、という事である。

 

 

 

「調べるしかない、か」

 

教師を辞め、秘密結社「幻影の盾」の主として、學天則を破壊するために戦い続ける中、森鴎外の使いである癌研究会の会長である青山胤道より齎されたのは、伝染病研究所の地下で開発が進む大規模災害に対応する医療用學天則の一報。それはどうも大量破壊兵器の裏の顔を持っており、しかも夏目漱石の師匠である外国の文豪、コナン・ドイルの脳が使われているらしいと言う事。かの代表作、シャーロック・ホームズを愛するあまり過激な行為すら行う、過激探偵愛者と呼ばれる者達と高浜虚子は繋がりがあったらしいと言う事。 何故コナン・ドイルの脳が日本に? という疑問は引っ掛かるも一先ず調査に向かう事に。

 

「心当たりがあるのは、前半部だけだ。後半部は知らんわ」

 

そこで遭遇したのは、細菌学の権威、北里柴三郎。医療用學天則の裏の顔は心当たりはあるもコナン・ドイルの事は知らんという彼は、電極技術による洗脳で数々の縁談を成功させてきた危険人物であり、漱石にとっては教え子たちを望まぬ縁談に導いた相手であり、必然的に激突する事となり。だが「緋色の研究」と名付けられた謎の武器に苦戦し、野口英世の救援により何とか脱出するも、禰子が捕まってしまう。

 

野口英世より明かされたのは、あの研究所は今、様々な因縁の集う政治的な火薬庫であるという事。しかしそれでも、助け出す為に。女学園の用務員であり、あの組の一員であったという裏の顔を持つ藤田五郎から、親友の遺した仕込み杖を入手し。再び、今度は野口英世とコンビで研究所へ。

 

『それはそれとして、俺たちを巻き込んだことは気に食わん!』

 

しかし二度目の戦い、途中まではうまく行くも前提を間違っていたことにより再びの危機へ。そこへ救援に着たのは森鴎外北里柴三郎との人外同士の激突が始まる中、只人である漱石と英世の、巻き込まれた怒りによる策は放たれ。全てを覆し踏み躙って。その先、漱石の元に懐かしくも嬉しい便りが。その便りを以て、漱石も過去と和解するのである。

 

またぶっ飛んだ、と思いきや更に熱さ深まる今巻。前巻を楽しまれた読者様は是非。きっと貴方も満足できるはずである。

 

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