読書感想:お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件11

 

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読書感想:お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件10 - 読樹庵

 

 さて、このシリーズをここまで読まれている読者様、最近こうは思われていないであろうか。良くも悪くも、落ち着いたなぁ、と。のんびりと続く日々、穏やかな、まるでお風呂のような温かい日常の中でほのぼのと周と真昼が思いを育んでいく、のがこの作品の骨子なのだが。最近、二人の思いも最早ド安定、一種の結実を迎えている訳で。

 

 

 

そう考えると、最早、サザエさん時空的なものに近づいてきている気はする。確かに時間は進んでいるのだが、それは大分鈍足な訳で。そんなぬるま湯のような日々に、最後いきなり不穏の気配が、珍しくやってくるのが今巻なのである。

 

 

(・・・・・・後悔はない)

 

前巻の最後、周へと告げられた告白の言葉。しかし、それを当然周は斬り捨て、真昼と共に居る事を選んだ。その事に後悔はなく、選ぶという事は余りを切り捨てるという事は分かっている。真昼以外、要らないと決めたのも自分。しかし心の小さな痛みは避けられず、それを飲み込んで真昼からチョコを受け取って。恋人同士の甘々、なバレンタインはしとやかに終わっていく。

 

そこを乗り越えたのなら、やってくるのは月末の学年末考査。悲喜こもごもありつつ、段々試験に向けて重苦しい空気になってくる中、チョコを貰った者達は、お返しについても頭を悩ませ始め。日ごろから勉強はしているので余裕は持っている周も、お返しについてどうするか、と考え始める。

 

「ホワイトデーに、うちのバイト先に来てもらおうかと思って」

 

そこで考え付いたのは、真昼が常日頃から希望していた事、周のバイト先への訪問。働いているという周が見られると、真昼は目を輝かせて。彼のバイト先に訪問し、周の先輩にあまりの可愛さに驚かれたり。アクシデントから、真昼が着替えることになったりして。

 

「楽しかったな」

 

「・・・・・・ねえさん?」

 

何だかんだあれど楽しんで、真昼もテンションが高くて。楽しんだ帰り、ここでやってくるのが不穏の気配。マンションを訪ねて来た見慣れぬ少年、彼は真昼の事をねえさん、と呼んできて。やにわに不穏の予感が高まるのである。

 

ねえさん、と言う事は弟なのか。しかし真昼に、弟がいるという話は聞いたことがない気がするのだが。と言う事は一体、この少年は何者なのか? その答えはまだ分からないけれど、もし本当に弟なのだとしたら。それは真昼の家族に関わる問題、であり。二人で乗り越えていくべき問題、なのだろう。

 

久々に不穏の予感が芽生える、次に向けての甘さ高める今巻。シリーズファンの皆様は是非。きっと貴方も満足できるはずである。

 

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