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読書感想:営業課の美人同期とご飯を食べるだけの日常 - 読樹庵
さて、前巻で始まった有とひよりの、ある意味オトナのモラトリアム、最早何でこれで付き合っていないの、とツッコミたくなるような距離感、半同棲的な関係。そんな、地獄のデスマーチ響く会社での、穏やかで温かな関係性を描いたこの作品であるが。今巻、二人の関係は一つの結実を迎える。と言う事を先に語っておきたい。
そう、有とひよりが遂に、やっとゴールインするのである。それはきっと自然な流れであるのだろう、あるべき帰結と言えるのであろう。そこへと至るのが今巻であり。その為に一つずつ、お断りしていくのが今巻なのだ。
「だからお前の気持ちには応えられない」
出席した結婚式、元カノであるあいと顔を合わせて。彼女の未練に、ありがとうを言いつつ優しくも、自分から未練に決着をつけて。
「ありがとう、こんな人間を好きになってくれて」
バレンタインを超えて三月、うららと二人でお出かけした時に思いを告げられて。だけど、自分にはその思いに返す思いは、もう残っていない。とある彼女に独占されてしまったから、とまた、ありがとうと共に真っ直ぐに思いを、優しくも断ち切って。
「なぁやっぱり好きだわ、ひより」
思いを受け取ることを選ばず、選ぶのはひよりとの日々。お互い私服で初詣に行ったり、ひよりに出張の相方として選ばれついていったり。様々な場所で、いつも通りに気負わぬ関係で。肩ひじ張らずとも息が楽で、喋らなくても幸せで。だからこそ、関係を変えていくのは当たり前であったのかもしれない。日常の延長戦上で、いつも通りの気安さで気負わぬ勢いで。 好きを伝えて、関係を変えて。
その関係性は明かさないけれど、ひよりのPONで周囲にはどんどん勘付かれていく、疑われていく。
それでも、この関係性は変わらずに。半同棲から家を変え、同棲生活に移行して。恋人同士として、当たり前の時間を積み重ねて。
「こんな私だけど、これからも一緒にいてくれる?」
「そんなひよりだから、ずっと一緒にいたい」
そして、恋人同士としての時間を重ねて。今度は夫婦、へと新たなステップを二人で踏み出していくのである。
何処までいってもどこを切り取っても、そこにあるのは穏やかで温かな日常。だけどそれでいい、こういうのでいい。きっと二人はこれからも、そうやって歩いて行くのだろう。
その姿を是非、最後まで見届けてほしい次第である。