読書感想:ネットの『推し』とリアルの『推し』が隣に引っ越してきた2

 

前巻感想はこちら↓

読書感想:ネットの『推し』とリアルの『推し』が隣に引っ越してきた1 - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 さて、前巻で蒼馬を囲む、静、ひより、真冬の恋愛混沌四重奏、通称「蒼馬会」が形成された訳であるが。全員の思いは蒼馬に向いている、というのは画面の前の読者の皆様もご存じであろう。 と言う事は発生するのは、恋のさや当て。 今巻から本格的に、日常の中でラブコメが動き出していくのが今巻なのである。

 

 

「とりあえず、合鍵はシェアしない?」

 

真冬が蒼馬の部屋に合鍵を使って入るのを目撃し、それを見ている静も同時に、ひよりは見てしまい。急遽開催された三人の会議で、三人全員が蒼馬のことが好き、であるとうのが共有され。一先ず条件を一定にするため、合鍵を三人でシェアする事になって。彼等の関係が動き出していく。

 

蒼馬の不用意な一言を偶々聞いてしまったひよりが誤解し、それを真冬がなだめたり。 最近、ご飯が美味しすぎて太ったのでは、と危惧するひよりのためにダイエットに付き合う事となったり。時々、真冬と静に監視されたり、四人で居酒屋に行ったりしながら、賑やかな日々を過ごす中で。

 

「・・・・・・弟みたいで可愛いなあって、思ってたんだけどなあ」

 

 

ひよりの中、想いが育ち始めていく。 年の差があるから、大人だから。そう言って諦めようとする心を越えて。一人の女性としての思いが芽生え、育ち始めていく。

 

そんな中で、今巻におけるトラブルが発生していく。巡り来たのはミスコン。真冬のファンクラブの男子たちにお願いされ、仲介した事で真冬がミスコンに出場する事となり。しかし、ひよりという「推し」のライブもまた、不運な事に同じ日だったのである。

 

「―――大好きだよ、蒼馬くん」

 

ミスコンの方は全く心配する必要もなく、蒼馬への思いをこれでもかとみせつけた真冬が圧倒的な力で、交際への懐疑的意見も纏めて潰し、優勝を掻っ攫い。 しかしライブの方に移動しようとしたら、ミスコン出場後、男に絡まれた出場者の女性に出会ってしまい。 放っておけない、という気性がこの時ばかりは災いし、結果としてライブに間に合う事は出来なくなってしまった。

 

 

「・・・・・・・・・・・・ありがとう。そこまで私も『推し』てくれて」

 

失意の中、ひよりから届いた一通のメッセージ。その先に待っていたのは彼だけの為のライブ。 いつも推してくれる、支えてくれる彼の為の、精一杯の思いを込めたお礼だったのである。

 

ひよりの中での思いも固まり、本格的に恋が動き出していく今巻。前巻を楽しまれた読者様は是非。

 

きっと貴方も満足できるはずである。

 

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