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読書感想:隣の席のヤンキー清水さんが髪を黒く染めてきた3 - 読樹庵
さて、前巻で愛と陽介は無事にゴールインし、澪と俊也も一歩前進、したわけであるが。主人公とヒロインである大輝と圭はまだまだ始まったばかり、スタートラインに立ったばかりで。まだまだ自覚、その段階という訳で。そんな二人が少しずつ進みだしていく巻なのである。
「・・・・・・僕、清水さんが好きなのかもしれない」
「・・・・・・まだ決めてねぇ」
前巻、合宿の中で。圭の事が好きなのかも、と自覚しつつある大輝は澪に相談し。大輝が続けているからまだバイトを続けることにした圭は歌穂に興味津々に聞かれたりしつつ、どうアプローチしたらいいのか、と思い悩み。そこへやってくるのは夏を超えて秋、文化祭の季節。準備から本番まで一緒、更には部活もクラスも同じ、と言う事で一緒に行動する時間は多い筈、しかしこの機会を活かせるかは圭次第。
折しも、天文部は今年から部に昇格した事で、出し物をしなければならなくなり。愛の猛プッシュで織姫と彦星の物語を元にした演劇を行う事になり。演劇部の二年生、瑠奈に脚本を依頼する事になり、更には澪がナレーションに回ることになり。圭が織姫、大輝が彦星の役に内定し、早速準備と練習が始まる事に。
「まっすぐ気持ちを伝えればいいんじゃないかな」
しかし、途中で圭が風邪をひいて大輝がお見舞いに行く、というイベントもありつつも、演劇の練習は一か所、最後の場面で行き詰まっていた。織姫と彦星が互いに思いを伝え合うシーン、だがこの二人のもどかしい関係では逆に意識してしまって、中々思いを口にする事は難しくて。
「・・・・・・私じゃダメか?」
「劇の成功にはお二人が向き合うことが必要です」
必要なのは緊張を受け入れる事。織姫、としての気持ちを伝える事。巡ってきた文化祭本番、圭は勇気を出して大輝に一緒に回らないか、と声をかけて。お化け屋敷で圭がプチパニックになったりしつつ、占いコーナーで告げられたのは、劇を成功させる為の方法。今、お互いがそれぞれ頭の中に思い浮かべている人、その人の思いへと向き合うと言う事。
お互いが考えているのは、勿論お互い。ずっと向き合ってきた、ずっと考えて来ていた。ならばあまり緊張する必要はない。無理に考えずとも、もう向き合っているのだから。
「それが今日ようやく分かりました」
そして、劇の中で振り返るのは今までの彼女。 台詞をぶっ飛ばす程に溢れた思いにようやく名前はついて。大輝の恋心の自覚、という確かな一歩へと繋がるのである。
ゆっくりなれど着実に前進、さらに一歩深める今巻。シリーズファンの皆様は是非。きっと貴方も満足できるはずである。
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