
前巻感想はこちら↓
さて、前巻でノーマンの恋人である四人の「アンロウ」達の絆も深まり始め、段々結束性が出てきたのだが、画面の前の読者の皆様、こうは思われた事はないだろうか。そも、ノーマンの過去に何があったのか? と言う事だ。 アンロウを率い愛していると言い、どこか軽薄そうな彼。前巻、アイリスにより語られた過去の一端、果たして彼に何があったのか。
その一端に迫り彼の過去の少しを紐解くのが今巻であり。 バケモノ同士の激突が巻き起こる、一つの決戦が起きる巻である。
「そう警戒しなくて良い。敵ではない」
ある日の夜、探偵事務所を訪ねてきたのはノーマンの姉、スフィアの上司と名乗る老人、ダミアン。彼が語るところによると、王都にいる双子のアンロウ、「医者」のメディカと「職人」のメタリアが王都の収容所からアンロウを何名か連れて脱走、このバルディウムに戻ってきているらしいという事。姉のスフィアから翌日聞いてみればどうも彼はノーマンの前任者、元王室の直属部隊の中でも最優秀なエージェントであったがバルディウムで結婚、移籍したという経歴の持ち主らしく。 双子の脱走は事実、更に連れ出されたアンロウは彼らにとって因縁のある者達という事も分かり。 双子が裏取引を行う会員制カジノに四人と共に潜入する事に。
だが、それこそは罠。 予想に反し囚われていた双子を救助すれば、そこにいたのは「ナインハーブス」の一機を用いる傭兵、ロビン。更には四人もそれぞれ、因縁のあるアンロウたちに襲撃され。位階としては下の筈なのに何故か強大な力を持つ敵たちに追い込まれ絶体絶命、一瞬のスキを突き逃げ出し、ホームレスとなっていたナタリアに救われる。
「正直、面倒なことになる予感しかしないのですけど、どう思います?」
治療しこれからの方策会議、そこでメディカより明かされるのはアンロウ強化の方法である失敗した薬、「アポトーシス」。ダミアンの依頼でこれを二万人分作った、というとんでもない事実が明かされ。いきなり迫るのはバルディウム崩壊の危機。その前哨戦と言わんばかりに、ロビンの手により探偵事務所は爆破されてしまう。
「―――街を救いに行こうか」
カルテシウス支部も掌握されスフィアも抑えられ、これはカルテシウスの依頼ではない。それでも街を守る理由があるから。 双子により装備を整えてもらい、決戦の場へ。
「――――――『四色定理』!」
シズク、エルティール、ロンズデー、クラレスが繰り出すのはかつてノーマンを救った時よりヒントを貰った切り札。四人での共鳴、ノーマンの愛の証明。
「では、殺し合おう。僕の愛のために死んでくれ。クソガキ」
「お断りします。俺の愛のために死んでくれよ、クソジジイ」
そしてノーマンはダミアンとぶつかり合う。過去の一端を明かしながら、バケモノ同士として、似た者同士として。透明な殺意をぶつけ合い、その先に生き残るのはどちらか一人、という訳だ。
一つの山場、決戦となる今巻。しかし始まりのお話も見てみたいものだ。シリーズファンの皆様は是非。きっと貴方も満足できるはずである。