読書感想:隣の席のヤンキー清水さんが髪を黒く染めてきた3

 

前巻感想はこちら↓

読書感想:隣の席のヤンキー清水さんが髪を黒く染めてきた2 - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 さて、前巻で少しずつ動き出した大輝と圭の関係性であるが。この二人が、いけいけどんどんな勢いでぐいぐい進むか、というと。ここまで読まれている読者様であれば何となくお察しではないだろうか。そううまく行く訳はない、と。全く以てその通りである。 自覚したからと言って、ぐいぐいいく事が出来る訳でもない。

 

 

それどころか今巻、まだまだ始まらぬ。寧ろ周りの方が始まっているのでは、というのが描かれていく巻であり、三組の恋人未満なコンビの一組が大きく動く巻なのである。

 

 

「大切な人というか、僕が大切にしたい人なんだと思う」

 

輝乃に圭への思いを聞かれて、中学校時代に居た女友達に抱いていた思いとは違うというのは胸を張って言えるも、まだまだそれが何かは分からず、無自覚で。

 

「今回みんなでやりたいこと、それは合宿です!」

 

その思いを考える間もなく愛が提案してきたのは夏合宿。二学期になれば引退、思い出作りがしたいから皆で海で、夏祭りで遊びたいと言うもの。しかし現実的な問題として旅費、という問題が立ち塞がり。澪、大輝が協力すると申し出、圭も嫌々ながら巻き込まれる事となり。一先ずまずは旅費の問題を何とかすべく、愛がそれぞれに合ったバイト先を紹介し。圭と大輝は、愛の先輩が働いているカフェでバイトする事となる。

 

陽介と愛の関係を知っている、愛の先輩である歌穂から二人が先に進まぬ理由を聞きだしたり。久々の恋バナの後、皆で浴衣を買いに行って、圭が照れさせられたりしつつ。

 

そんな中、巡ってくる合宿、夏祭りの場で。一発で決める、と告白する事を心に決めていた陽介が動き出し。圭のアシストもあって二人きりとなり、見事に告白を決めて見せ。

 

「知らない人からしたら恋人に見えるかもしれないね」

 

それを見届け、二人きりで花火を見上げて。まだまだもどかしい関係性、だけど圭はもっと積極的にいく、という決意を固め。

 

「楽しみにしてる」

 

澪と俊也は二人で遊んで、また遊ぼうと言う約束を何気なくかわして。

 

 

正に三者三葉、それぞれの形で、それぞれのペースで。一足先に一足飛びで突き進んでいくコンビがいれば、もどかしいけれどゆっくり前進していくコンビもいて。

 

一組成就、二組まだまだ、そんな距離感で。その先に待っているのは秋。そこにあるのは様々なイベント、そして別れの季節。そこには何が待つのか。

 

より深煎りして何かが動き出していく今巻。シリーズファンの皆様は是非。きっと貴方も満足できるはずである。

 

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