読書感想:魔女と傭兵5

 

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読書感想:魔女と傭兵4 - 読樹庵

 

 さて、ジグもシアーシャも特に宗教的な信仰はない、というのは今巻までで何となく語られてはいるのだが。こちらの大陸、この街にも宗教と言うのは存在する訳で。今までは関わってこなかった、そんな存在と激突するのが今巻である。そして、宗教と戦うと言う事の面倒さは何となく画面の前の読者の皆様もお察しではないだろうか。

 

 

そう、信仰と言うのは連帯感も厄介さも生む訳で。そしてファンタジーにおける信仰者、中でも狂信者というのは強キャラである、大体。この作品もその例に漏れないのだ。

 

「不幸な行き違いによる無益な争い、と言ったところか?」

 

前巻、激突した高位冒険者、エルシア。彼女との戦いで相棒が壊れてしまい、装備の新調でそろそろ金欠になる事は請け合い。仕事を選ばず小さな仕事も頑張って受ける中、シアーシャが評価値の高い依頼と言う事で、他の魔獣と群れを組む猿狗という魔物の討伐依頼を持って来て。そこで遭遇したのは、全く別の地域に生息する魔獣、三面鬼の一団を猿狗が引き連れていると言う光景。ジグとシアーシャは難なく討伐するも、冒険者達にはけが人や死人が出ると言う結果に終わる。

 

「思ったよりも広く浅く広がっているようだな。澄人教というのは」

 

その後に声をかけてきた既知の相手、鱗人のウルバスに聞いてみたのは、異民族の目から見る澄人教というもの。曰く、この辺りでは信者はそれなりにいるが潜在的な思想としては根付いており、世間知らずや落伍者やおちこぼれな冒険者にも信徒はいるという事。割と思ったより根深い宗教話を聞いた矢先、ギルド本部でジグが信徒による襲撃を受け。ギルド副頭取であるカークにより、ジグがギルド立ち入り禁止の宣告を貰う事に。

 

「あぁ、控えめに言って、最高だ」

 

しかしその言葉の裏には、ギルドとしての、個人としての思惑がある。それは目障りな宗教を破壊してこいという遠回しなお達し。

 

「そうなったら、やることは一つだ」

 

そしてジグにとっても、敵意を持って攻撃された以上最早許す訳もなく。各所に根回しした後で、夕暮れの教会へとシアーシャと共にカチコミをかける。

 

「気が合いますね―――私もですよ!」

 

そこで待ち受けていたのは多数の教徒たち、そして率いるは幼き頃から教団の中で鍛えられていた僧兵の中でも特別な名を持つ「免罪官」、ヤサエル。戦場と宗教、場所は違えど逃げられぬ場所の中で生きてきた、という共通点を持つジグとヤサエル。出会い方が違えば友となれたかもしれぬ二人は、しかし己の意思を貫き通す為に激突し。最後には彼が生き延びるのである。

 

宗教相手に大暴れ、より世界観深まる今巻。シリーズファンの皆様は是非。きっと貴方も満足できるはずである。

 

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