
前巻感想はこちら↓
さて、前巻で悪徳の街、ストリゴまで転移してしまい、魔女らしき少女、シャナイアと遭遇しているジグであるが。一人残されたシアーシャは大丈夫なのか、と思われた読者様も画面の前にはおられるかもしれない。ある意味ジグがストッパーであり、理性の枷のようなもの。ではそんな存在がいなくなればどうなってしまうのか、を語りつつ魔女、という存在の一端に触れることになるのが今巻である。
「アタシは・・・・・・勘違いしていたのかもしれないな」
「ようこそストリゴへ。最高にクソッたれで、最低なほど自由な街さぁ」
前巻の最後、ジグがストリゴへと転移してしまった後、戦いの場へと追いついたシアーシャが、カティア達マフィアが恐怖する程の化け物ぶりを発揮しているとも知らず。ジグは強い人を探している、というシャナイアの人探しを手伝う事を条件に脱出を支援してもらう事となり、早速行動を開始する。
・・・・・・しかし、ジグが大人しく行動をする訳もない。転移時、手放してしまった事で愛用の武器もなくほぼ丸腰の状態ではあるのだが。 接触してきた亜人たちのファミリア、構成員の一人であるレナードを叩きのめして案内人とし、ボスである鱗人、クロコスとの対面へ。力を認められ武器を貰う中、やらかしたのはこの街のマフィア、カララクであるとの情報を貰い、「情報収集」の為にそちらへ向かう事に・・・・・・
「―――バレないように、隠しちゃいましょうね?」
・・・・・・・なるの、だが。やっぱり平穏なカチコミ、とはならず。非常時の手段で、案内人にされたノートンと共にやってきたシアーシャが早速暴れ回り。カララクの連中が相手を勘違いしジグの元にお礼参りにやってきて、ジグはカララクの用心棒、マオと激突する羽目に。
「君がもう魔女に喰われていたのなら・・・・・・ボクといて平気なことにも説明がつく」
辛くも勝利した先、傷ついたジグを絡めとるシャナイア。彼女が語る人探しの理由、それは強き雄を探していたという事。その理由は、魔女と言う存在の繁殖の為。魔女からは魔女しか生まれぬ、そして魔女の魔力は傍に居る者を犯し、精神を改変する。その話に傭兵としてのアイデンティティを否定されたジグが激怒するも、減った体力では抵抗も出来ず。
「泥棒猫が、誰の許可を得て私のものに穢れた手を伸ばす?」
が、そこへ現れたのは、怒り狂うシアーシャ。
「―――貴様を殺す」
「―――やってみなよ、できるものならさぁ!!」
シアーシャとシャナイア、魔女二人。同じ雄を狙い合う者同士。 共有、なんぞできる訳もない。始まるのはキャットファイト、などとは呼べない殺し合い。魔女同士の全力を投じる殺し合いの果て、軍配はシアーシャに上がり。
「ありがとう、シアーシャ」
そして、カークからの依頼にも一応の決着はつき。ジグとシアーシャは、ノートンとその仲間達に先導され、街へと戻る道へ進むのであった。
事件の終わり、魔女同士の激突、怪獣バトルが如き争いが繰り広げられる今巻。前巻を楽しまれた方は是非。きっと貴方も満足できるはずである。