読書感想:悪役御曹司の勘違い聖者生活3 ~二度目の人生はやりたい放題したいだけなのに~

 

前巻感想はこちら↓

読書感想:悪役御曹司の勘違い聖者生活2 ~二度目の人生はやりたい放題したいだけなのに~ - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 さて、前巻で学院長である「雷撃のフローネ」がマシロの身体を狙う唾棄すべき悪であると判明し、オウガと彼女の因縁も出来た訳であるが。そも、まず簡単に追跡、という事は出来ない。「聖者」という称号への道は整えられたものの、そうすぐに走り出せるわけではない、というのは画面の前の読者の皆様も何となくお察しではないだろうか。

 

 

そも、簡単に追跡できるわけでもない。という訳でまずはその思惑に迫りつつ、手の内を解き明かしていくしかない。調査が始まる中、今はオウガの従者であるアリス、彼女の過去も明かされるのが今巻なのである。

 

「わかりました。国王様のご期待に応えられるよう精進いたします」

 

フローネが黒幕であった事で、学院は国からの調査が入ることになり、一時閉鎖と早めの長期休暇となり。マシロを実家に返す訳にもいかず、家族となったレイナと、カレンも領地に招くことになり。いつもの面々がヴェレット領でお休みを過ごすことになる中。レイナからの情報にあった拠点はもぬけの殻、更に支援者であった貴族たちも記憶を無くしており。 禁忌の魔法である闇属性魔法の関与までは判明するも、それ以上は追えず。国王様によるオウガ対フローネの図式、絵図に仕方なく乗せられる事となる。

 

領地の海で皆で遊んだり、ナンパしてきた奴等が自警団にしょっぴかれたり。シリアス続きな学院の生活から一旦離れ、望んだハーレムを満喫する中。ヴェレット家の地下にあった禁書庫で、判明していく闇属性魔法の真実。 興味を抱いていたオウガも覚える事を辞める程度には、人の尊厳を奪う禁忌の魔術。 フローネの狙いまでは判明する中、彼の元に届いたのは、唯一フローネの記憶を持つアンドラウス侯爵家からのお誘い。 どう考えても罠、一先ずお断りするも、秘密裡に誘いを受けたアリスが一人、向かっていってしまう。

 

何故かと言うと、アンドラウス侯爵はアリスにとっての大切な人の仇、更に彼女が騎士団から追放される原因となった相手。仇を取らんと刃が向かうも、届かずに。アリスは闇魔法で洗脳され、助けに行ったオウガたちの前に敵として立ち塞がる。

 

「あのときからお前の全ては俺のものだ」

 

始まる本気の、悲しい対決。 アリスにはまだまだ及ばぬ、だとしても。救い出すために、自らの肉を切らせて隙を作り。真っ直ぐに向き合って受け止めて。

 

「お前しかいないんだ。俺の覇道を切り開ける剣はな」

 

アリスの心の力とオウガの魔術で心を取り戻し。もう一度主従の絆が結ばれた先、いよいよオウガに聖者の称号が渡されるのである。

 

アリスもまたハーレム入りを希望する中、直接対決の準備が整っていく今巻。シリーズファンの皆様は是非。 きっと貴方も満足できるはずである。

 

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