
前巻感想はこちら↓
読書感想:男嫌いな美人姉妹を名前も告げずに助けたら一体どうなる?4 - 読樹庵 (hatenablog.com)
さて、隼人君の理性はよく保つなとある意味感心してしまうこの作品も早くも五巻、前巻にて亜利沙と藍那、咲奈たちとの温泉旅行も経験し家族の域にまで絆を深めていったわけであるが。学校においては未だ隠している関係、それは閉じた世界を生み出しているのはご存じであろう。当然明かしてしまえば波乱を巻き起こす事は明白、当然祝福もされぬ関係であろうからこそ言う事も出来ず。しかし秘したままでは、世界の硬化を招いてしまうかもしれない。では一体どうすればいいのか。
即ち答えは一つ、本当に信頼できる相手にのみ秘密を明かし、味方を作ること。その白羽の矢が立つのは、隼人の親友である颯太と魁人。 まだ全員にバレる訳ではないけれど、少しだけ世界が広がる巻である。
「凄く意識しちゃってるよね?」
前巻、藍那と交わしたディープキス。今までとは違う、より深度を増したスキンシップを意識してしまい、ちょっとだけぎくしゃく。その空気感は亜利沙にも見破られてしまい、彼女ともディープキスをする事になり。運命共同体として足並みはそろい、また一歩深めて。
「なんつうか・・・・・・あの美人姉妹と仲良くしてて羨ましいと思ったけど、それ以上に波乱万丈だったんだなぁ」
そこで発生したのは魁人の実家、花屋の危機。颯太と一緒に手伝いを申し出、亜利沙と藍那も手伝いを申し出。その中で姉妹と隼人の事情は二人に告げられ、隼人への友情ゆえにすんなりと受け入れてもらえる。
「それが分からないほどガキじゃねぇよ」
「誤魔化すなよ」
更にそれは結果的にいい結果を齎していく。プール掃除でラッキースケベ的展開があったり、教科書を忘れた亜利沙と机を密着させたり、という展開もあったり。 その中で亜利沙に執心だった同級生、藤島と接触する機会があったり、隼人に対し脅迫文的なものを送ってきた相手を皆で探す中、それが自分にラブレターを送ってきた後輩が犯人だと気付いた藍那がキレて釘を刺したり。
今までは三人、今回からは五人。より広がった関係が、隼人の背を押し力となり。
「そんな二人の息子で俺は幸せだ」
「それが一緒に居ると誓ったあたしと姉さんの想い・・・・・・彼の彼女としてあたしたちの気持ちだよ」
今まで心の中の何処かで柵となっていた、父方の祖父母から投げられた心無い言葉とよきせぬ再会。だけど今度はきっちり自分の想いを叩きつけ。 支え続けると決意した亜利沙と藍那は魁人と颯太に明かす、自分達の関係の秘密を。それは親友である二人からも受け入れられ。また思いは更に、重く深く深煎りされていくのである。
世界の少しの広がりと、隼人の成長がより光る今巻。シリーズファンの皆様は是非。きっと貴方も満足できるはずである。
Amazon.co.jp: 男嫌いな美人姉妹を名前も告げずに助けたら一体どうなる?5 (角川スニーカー文庫) : みょん, ぎうにう: 本