読書感想:男嫌いな美人姉妹を名前も告げずに助けたら一体どうなる?4

 

前巻感想はこちら↓

読書感想:男嫌いな美人姉妹を名前も告げずに助けたら一体どうなる?3 - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 さて、このシリーズを嗜まれている読者様であれば、ヒロインである亜利沙と藍那が隼人に正に毒が如き、重すぎる愛を流し込もうとしているのはご存じであろう。まぁ隼人本人がそれを受け入れているし、それが三人の形、と言える訳であるのでいいのだが。 いつか、その先へ進もうと言うのなら。周囲に明かさねばいけぬ日も、来るかもしれない。この秘密も、いつか周囲に露呈してしまう日も来るかもしれない。

 

 

そんな日がいつかは来るとしても、今巻では来ない。今巻も、よく我慢出来ているなと感心するほどに隼人の理性がガンガンと試されて。温泉旅行、という非日常の舞台へ一時向かう巻である。

 

「それだけ大好きって気持ちが伝わってきて聞いてる私も楽しくなるよ」

 

やってきたゴールデンウィーク、しかし予定していた温泉旅行は定期テスト後に延期となり。空いてしまった日程の中、隼人は田舎の祖父母を訪ねていき。久々の再会となる祖父母と、暫しの団欒の時を過ごす。

 

「それは・・・・・・あるかもなぁ」

 

そんな日々の中、間違えて亜利沙と藍那の名前を呼んでしまう事もあって。実感するのは、二人といる日常がもはやごく当たり前になっている、魂に刻まれ始めていると言う事。それは二人にとっては何よりも喜ばしい事。 そんな二人に相応しい人間となる為に掲げるのは、定期テストで全教科80点以上を取ってみせる、という宣言。亜利沙と藍那に勉強を見てもらって、時に褒められたりする中、気合を入れて。見事に結果を掴んで、咲奈も含めて「家族」四人での温泉旅行へと向かう。

 

縁結びの泉に行ってみれば、浮気された女性の悲しい伝説、を聞くことになったり。貸切露天風呂で理性を試される事になったり。夢の世界で悪霊らしきものに襲われかけて亜利沙と藍那が助けに来てくれたり。目を覚ましたら亜利沙に誰にも見られてない中で迫られたり。旅館を散歩していた鴨の親子に何故か隼人が懐かれたり、ご当地ヒーローショーに、隼人がカボチャの仮面を被って登場する事になったり。

 

「みんなと出会えて・・・・・・本当に良かった」

 

何れも何よりもかけがえのない日々。そんな日々の中、実感するのは彼女達がどれだけ大切か、という事。実感し、ふと結婚式、というのを意識してみたり。その先に少しだけ、二人の関係は進むのである。

 

より甘さ深まっていく今巻、シリーズファンの皆様は是非。きっと貴方も満足できるはずである。

 

Amazon.co.jp: 男嫌いな美人姉妹を名前も告げずに助けたら一体どうなる?4 (角川スニーカー文庫) : みょん, ぎうにう: 本