さて、戦乙女と言うのは北欧神話の存在であるがFGOをプレイされている読者様であれば英霊として登場する戦乙女も見たことはあるであろう。しかし戦乙女、ひいては北欧神話とは実際どのくらいの知名度があるのだろうか。私はオーディン、トール、ロキ、フェンリルくらいしか正直知らないのだが。
と、まぁ前説はこの辺りにして。この作品においては「戦乙女」、というのが戦う力を持つ乙女たちを指す名前であり。彼女達に力を与える「大賢者」、と呼ばれる少年、オズワルドを主人公に繰り広げられる作品なのだ。
「あんたさえ居れば、もう勝ったも同然よ!」
暮らしている村で、特殊な魔力を持っているが故に病原菌と蔑まれ、日々必死に耐えながら病に伏した母を看病する日々。しかし感じる、何かが決定的に欠けていると。その予感の中響く声、目を覚ましたらいきなり目の前には美少女、外は戦闘中という修羅場。幾多の少女達と戦っていた化け物に自分を庇って少女が傷つけられた時、胸に沸き上がったのは憤怒の感情。その感情を魔法に変え解き放ち魔物を討伐するも、判明する。どうも自分は記憶喪失であるらしいと。
この後、説明を受けることに。天空に浮かぶ第七大陸の突然の崩壊、そこで現れた邪神と眷属。瞬く間に世界が支配されつつある中、大賢者と呼ばれた自分は幼馴染みであるソフィア(表紙)を戦乙女、として転生させるもその儀式の場で何故か石化させられてしまい。その後、ソフィアという本物の戦乙女と、幾つもの世代からなる不完全な戦乙女たちが邪神と戦うも、人類は崖っぷちであると言う事。
「思い出させてあげる、絶対に」
オズワルドの記憶を取り戻そうと、過去にやってきたスキンシップをしてくるソフィア。思い出す、幼少期の記憶の一部。同時に当惑。まるで只の村人であるはずの自分に大賢者と言う別の何かが侵食してくるような。 しかし、今の彼は大賢者として求められている。どう求められているのか、それは戦乙女たちのバッファーとして。彼の特殊な魔力がスキンシップにより性的興奮を齎し、それが強化に繋がっていく。
求められるスキンシップは淫靡なもの。その中で邪神の眷属たちとの戦いの中、最前線へと飛び込んで。眷属へと変えられた戦乙女たちを、自身の血液で救うと言う力の使い方を見つけ。 敵となる、強き的との戦いを望む邪神、ゾルダとの激突をする事になり。一カ月後、雌雄を決そうと宣言される。
「全員の性癖に見合った強化行為。これが現状の最適解になるかと」
当然敵は強敵、立ち向かう為に何をすればいいか。それは今までの心のストッパーを外すと言う事。全員の性癖を満たす強化行為を仕掛け、心を繋げて立ち向かい。
「守られてばかりじゃ、ないッ!」
その戦いは徐々に劣勢に。決意し自身も前へ、今度こそ守る為に。それが精神的なスイッチを押す切っ掛けとなり、秘めた力を覚醒させる。
「―――君は何もかもを、失ってしまうよ?」
しかし、何やら彼の知らぬ所に何かは隠されている、らしい。見知らぬ記憶、そして彼に見えぬままに警告する何者か。思い出せ、真実を受け入れろ。ここに何が隠されていると言うのか。何かとんでもない思い違いが隠されているのか。
エロさ溢れる、しかし真っ直ぐに熱く王道なファンタジーであるこの作品。熱い作品を読んでみたい読者様は是非。きっと貴方も満足できるはずである。
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