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読書感想:クラスのぼっちギャルをお持ち帰りして清楚系美人にしてやった話5 - 読樹庵 (hatenablog.com)
さて、前巻恋人同士になった晃と葵はその後も幸せに暮らしました、以上解散。という訳ではないので、今巻からは恋人同士、遠距離恋愛の日々となる訳であるが。画面の前の読者の皆様、これは絶対にご存じであろう。どんな物語にも始まりがあれば終わりがあり。その終わりの形というのは、誰しもが望んだ形で終われるとは限らぬと。この作品はここまで来てしまえばもう大丈夫、望んだ形と終わりは相なる訳であるが。 さて、この作品の理想的な終わり、とは何なのであろうか?
その答えは簡単。2人が同じ道を歩いていく事、同じ時間を生きて、進んでいく事。その為にはどうすればいいか。やはりそれは環境を変える、それに尽きる。ではどうすれば環境は変わるのか? その辺りも書きつつ、次巻、最終巻となる訳である。
『あのね・・・・・・日程も同じなの」
しかしその前に今巻での二人の甘々を描いていく訳である。付き合い始めて新たな習慣となった長電話、その話題の中で出たのは修学旅行。しかしこれは、神様の粋な計らいか、はたまた運命の神様のちょっとした悪戯か。京都、という行き先が被ったかと思えば、何と日程まで丸被りという、正に奇跡的なバッティングが判明し。これ幸いと、周囲の協力を得、二人は修学旅行の中で秘密のデートをする事となる。
「うん。これが一番似合うと思う」
時には葵が混じって大人数で。またある時には、二人っきりで修学旅行から抜け出して。 葵が晃の着物を選んで二人でデートしたり、二人で伝統工芸の作成を体験してみたり。非日常の舞台で、恋人同士としての日常を。穏やかな幸せを享受していく。
「でも一歩を踏み出すなら今だと思うぞ」
その傍ら、級友である悠希と梨華、生まれた時から幼馴染同士な二人のもどかしい恋路に手を貸して。葵のサプライズと何気ない提案からヒントを引き出し、恋人の先輩として、その背中を押す。それもまた、成長の証だろうか。
「・・・・・・帰りたくない」
だけど、恋人同士の触れ合いは、時に予想外の効果を引き起こす。葵の気持ちが溢れ出し、結果として晃の家に招く事となって。父親への挨拶、そして葵も加えて家族の団欒。帰るまでが遠足、ならば帰らなければ非日常は終わらないと、ロスタイムのような甘さを過ごして。
「だから、それを目標に二人で頑張ろう」
その果てに、また一つ約束を。離ればなれの時間を終わらせる、未来への希望を。その約束は確かな希望、目標。終わりの見えぬ別離の終わる道しるべとなるのだ。
より甘さが深煎り、そして最後の甘さと試練の時が迫る今巻。シリーズファンの皆様は是非。
きっと貴方も満足できるはずである。
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