読書感想:うしろの席のぎゃるに好かれてしまった。3 もう俺はダメかもしれない。

 

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読書感想:うしろの席のぎゃるに好かれてしまった。2 もう俺はダメかもしれない。 - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 さて、この作品の主人公である三代とヒロインである志乃のラブラブ、バカップルぶりはもう画面の前の読者の皆様もご存じであると思われるが、こうは思われた事はないだろうか。・・・この二人、少し周りの事が見えていなさすぎではないか、と。正にお互いきりで、二人きりの世界を形成しているこの二人。それはいいとしても、周りに与える影響についてちょっと無頓着しすぎやしないか、と。

 

 

それはいい事か、悪い事か。見方が違えば、共依存に見られてしまうかもしれない。けれどあらゆる意味で影響を与えていくのが深まっていくのが今巻なのである。

 

「まぁ俺は別にどこでもいいし、そもそも修学旅行に行けなくても構わないからな」

 

冬休み明け判明したのは、まだこのクラスだけ修学旅行の行き先が決まっていないと言う衝撃の事実。その原因ともなった三代と志乃は、二人きりでもないんだしとどこ吹く風な傍観者。そんな二人に周囲は苛立つも、今まで通りの甘さにすぐに呆れに変わる。

 

「二番目でもいいので!」

 

「大丈夫、大丈夫」

 

だが中々意見はまとまらず会議は踊るのみ。その最中、見ず知らずの後輩が衝撃的な告白を三代にかまし当然ながら志乃の逆鱗に触れオーラだけで退却させ、三代が怒れる志乃に対処する事となり。何とかその場を納め、それを見届け行き先も、無難な所で函館へといく事となる。

 

決まったのならばあとは行くのみ。修学旅行に向けどんどんと時間が進んでいく中。恋人達の大切なイベントであるバレンタインの季節が来て。三代の家でギャル軍団がチョコを作る事となったり、当日に志乃が泊まりに来ていちゃいちゃしたり。更に修学旅行開始となって、三代が既に一線を越えている事が男子たちにバレたり。何やかんやとドタバタな中。少しずつ、彼等の周りの謎が現れ、二人を中心にそれぞれの関係が動き出していく。

 

バイト仲間であるハジメ、何故か着替える姿を見せたくない彼、時折沸き起こる謎の感情。そこに首を傾げるも、無理に迫る事もなく。

 

「異性として認識しているが、だからといって女の子として見るのが適切でないような気がしないでもない、といった感じだ」

 

修学旅行先の雪山、姿を消したまひろを追いかけた委員長を追いかけたら志乃と二人で遭難し、吹雪の中を山小屋へ逃げ込み。そこに合流してきた委員長と、まひろに対する思いに迫ったり。

 

少しずつ何かが動き出す、彼等の周りの恋が歩き出す。そんな中で今日も二人は恋を深めていくのである。

 

より円熟していく今巻。前巻を楽しまれた読者様は是非。きっと貴方も満足できるはずである。

 

うしろの席のぎゃるに好かれてしまった。3 もう俺はダメかもしれない。 (ファンタジア文庫) | 陸奥 こはる, 緋月 ひぐれ |本 | 通販 | Amazon