読書感想:カノジョの妹とキスをした。3

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前巻感想はこちら↓

読書感想:カノジョの妹とキスをした。2 - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 さて、前巻の感想を書いたのがちょうど一年前であるので、前巻の刊行は恐らく一年前である筈であるが、この作品に溢れる不純愛の傷跡は皆様の中にまだ残っているであろうか。不純愛ラブコメ、とこの作品はカテゴライズされている。―――だがしかし、画面の前の読者の皆様はこうは思われた事は無いだろうか。ラブコメのコメの部分、何処に行った、と。

 

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読書感想:クラスのぼっちギャルをお持ち帰りして清楚系美人にしてやった話

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 さよならだけが人生だ、と誰かが言った。出会いと別れを繰り返し、人は歩いていくものであるとも誰かが言った。さて、しかしさよならというものはそれまでの築いてきた関係を、その一つで無に帰してしまうと考えれば哀しい物である。だからこそ、もしさよならまでの時間が予告されているとしたら、其処までの時間は特別な意味を持つと思われるが、画面の前の読者の皆様はどう思われるであろうか。

 

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読書感想:ひきこまり吸血姫の悶々6

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前巻感想はこちら↓

読書感想:ひきこまり吸血姫の悶々5 - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 さて、前回で第一部完、オールスターバトルと言わんばかりに今までコマリが関わってきた少女達が集い繰り広げられた大決戦。第一部完である。つまりこの巻から第二部が始まるのである。そして様々な作品で、基本的に新たな部への導入というものは、何だかんだと穏やかな展開になる事が多い。

 

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読書感想:『ずっと友達でいてね』と言っていた女友達が友達じゃなくなるまで

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 さて、友情というものは何よりも尊いものである。そして異性の友達もまた、ラブコメにおいてはテンプレとも言える存在である。だがしかし。永遠に変わらぬ友情、というものは果たして本当に存在するのであろうか? 移ろいゆくのが人の心であると言うのなら。果たしてその友情は本当に不変でいられるのだろうか?

 

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読書感想:インフルエンス・インシデント Case:02 元子役配信者春日夜鶴の場合

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前巻感想はこちら↓

読書感想:インフルエンス・インシデント Case:01 男の娘配信者・神村まゆの場合 - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 さて、ネット上、もしくはSNS上に自分だけの「居場所」があるという読者様もおられるだろう。その居場所は大切なものであるので大切にしていただきたい。しかしそこが誰かを傷つける場所になってもいけない。例えネットにログが残らないとしても、話した内容はそれを見た者の心の中に残り得る。そして、もしその話した内容で気が付かぬうちに事実と違う事を流布してしまっていたら。それは行ってはならぬ禁忌である。

 

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読書感想:楽園ノイズ3

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前巻感想はこちら↓

読書感想:楽園ノイズ2 - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 さて、突然ではあるが、画面の前の読者の皆様は人が本当の意味で死ぬ時はいつであると思われるであろうか。機械によって脈がなくなり自発的呼吸が止まったと判断された時だろうか。それとも、炎に飲み込まれて骨の欠片と灰になり、小さな壺か何かに入れられてお墓の中に入れられた時だろうか。

 

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読書感想:忘却の楽園 II アルセノン叛逆

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前巻感想はこちら↓

読書感想:忘却の楽園I アルセノン覚醒 - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 さて、前巻でこの作品は群像劇的な面白さのある作品であり多数の登場人物がそれぞれの目的のために動いている作品であるという事は、前巻を読まれた読者様であればもうお分かりであろう。前巻で主人公であるアルムとヒロインであるフローライトが掴んだ小さいけれど確かな変化。だがしかし、大きな世界の前ではそんな変化は大海の中の一滴に過ぎず。そして世界の行く末なんてものは、アルムにも、それこそグレンにもどうにもできないのである。何処までいっても彼等は一個人、世界と言う大海の中の一滴にしか過ぎないからである。

 

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