読書感想:10年ぶりに再会したクソガキは清純美少女JKに成長していた 4

 

前巻感想はこちら↓

読書感想:10年ぶりに再会したクソガキは清純美少女JKに成長していた3 - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 さて、前巻で未夜、眞昼、朝華の三人がメインヒロインであるラブコメは本格的に幕を開けた訳であるが、この作品におけるラブコメがゆっくり進んでいくか、と言われると実はそうでもないらしい、というのが分かるのが今巻である。特に朝華は別の街に住んでいるからこそ、言うなれば普段はラブコメに絡めない訳であり。だからこそ、ぐいぐいと攻めてくるのが彼女なのである。

 

 

そしてさらに、眞昼と未夜、二人の内心もまだまだ差がある訳であり。現状朝華のストッパーになりうるのは誰か、というと。その辺りも描かれるのが今巻である。

 

「な、なんか壁にぶつかっちゃってさ」

 

まずはまだ、夏休み。旧世代クソガキ三人組と勇がいつも一緒に居れる時間。だけど勇にも予定はあるもので。祖母の家を久々に尋ねたら、昔お世話していた従妹である夕陽とラッキースケベ的な再会を起こし。夕陽側には特にラブコメ的な感情はないため、かつてのように兄妹的な関係に落ち着いて。

 

「まっ、こればっかりは体験したことがないと分からないだろうなぁ」

 

未空、龍姫、芽衣の新世代クソガキ三人組が富士山に登りたいとそれぞれの親に懇願し、都合のつかなかった親に代わり勇が駆り出される事になり。おっさんには辛い、富士山登頂に挑んだり。

 

「へへっ、なんでもない」

 

そんな中、眞昼の元に舞い込んできたのは熊本にある実業団チームへのお誘い。第二の故郷である熊本に行くと言う事は、勇とお別れすると言う事。もう二度と離れたくない、だから断ろうとは思う。だけど勇はどんな反応をするんだろう。そんな思いに挟まれて、言い出す事が出来なくて。

 

「大好きです。愛してます」

 

そんな中で、動く事を決意した朝華が早速勇を始めとし一同を別荘へのお泊りに誘って動き出す。水着にてハプニングがあったりしつつの夜、夜這いをかけた朝華が勇に迫って。感じる重みと感触、更にその言葉はあまりにも真っ直ぐで。今までで妹、のようにしか思っていなかった彼女の事を意識するには十分で。高校生の範囲を超えた色香と、彼女自身の魅力に理性が焼き切られそうになって。事態は全て、朝華の思い通りに運ぼうとする。

 

そこを止めるのは、偶々目撃してしまった眞昼。 緊急事態故に、勇のトラウマを刺激すると言う一番取りたくなかった手で、二人の間の空気を引き裂き。何とか止める事には成功し。その先に夏は終わるのである。変わり始めた思いをその場に遺して。

 

ヒロインレースが、今の立場をスタート位置として本格的に動き出す今巻。シリーズファンの皆様は是非。きっと貴方も満足できるはずである。

 

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