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さて、前巻にてルーナから思いを託され嘘をつき続けて欲しいと望まれ、降臨した女神様を前に本来ならば、勇者ならば選ばないだろう、人間だからこその選択肢を選んだソロ。はぐれ者ながらもひとひらの善性で立ち向かう事を選んだ彼。しかし彼は未だ、勇者としての道を歩み始めたばかり。勇者にふさわしい力、などない。
という訳で必要なのは修行である。今巻はソロがシュッツに騙され前向きな追放で修行先へ送り出される巻であり。彼の過去、そして勇者としての素質が語られる巻なのだ。
「・・・・・・少し、以前より考えていたことがあってな」
前巻の騒動の後、女神の降臨にお祭り騒ぎになる聖都。ソロたちも僧侶と密造酒で完敗したりしている中、魔族の動きが何故か小康状態、という事でシュッツは考えていた事を実行する事に。それは、ソロの魔法修行。彼自身、素養はあるけれどシュッツでは経験則の部分しか教えられず。という事でソロは、ルーナの師匠でもあった魔法使い、スティラの元で学ぶべく魔法都市へと送り出される。
「存外、高評価ですねぇ」
スティラの住まう塔にて始まる修行。トロは取り上げられ、まずは塔の中、広がる大地にて魔法のみで生活を成り立たせるべし。 そこでスティラを驚かせたのは、ソロの図太さ、生活能力の高さ。逆にセンスの素養を見せ、ソロはマイペースにサバイバル生活に適合、自分なりに魔法を磨いていく。
「なあ、とっつぁん。もうソロ迎えに行かね?」
一方、残されたシュッツ達。北の方のオークの様子見に向かえば、どうも今、オークの巣にて宝箱が発生中との事で、ソアレが新たな剣を求め空回りしながら動き出し。いつもはソロがぶつかり合って止める口実を作ってくれる、という事を実感。結果、振り回される事に。
「死ねないんだ、俺は」
そんな頃、ソロは第二の試練で悪夢の中。今まで救えなかった者達の幻影に囲まれる中、垣間見たルーナの過去。振り返る己の始まり。思い出した本質、生きる事こそが己、という事実。
「ちぇ、まあいいや。次何やろうかなぁ」
思い出した己が武器、それは生きる為の泥臭さ。勝利と言う条件の為への貪欲さ。師匠も舌を巻くほどに成長を見せ、最後の三つ目の試練をも乗り越えて。
「・・・・・・遅い、わよ」
修行を終え向かうは、国家へ襲来した魔族の軍勢とぶつかり合う仲間達の元。見せる輝きはまだ未熟なれど、勇者の一端へとその足を踏み込ませている。
「・・・・・・るーなって、なに?」
・・・・・・しかし、まだソロは知らない。魔族がとんでもない厄ネタを生み出していたという事を。この先きっと、悲しい激突が待ち構えているという事を。
逃げぬと決め勇者として一歩進む今巻。前巻を楽しまれた読者様は是非。きっと貴方も満足できるはずである。