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読書感想:領民ゼロ領主の勘違いハーレム。 ―エロいことがしたかっただけなのに、世界征服することになってたんですけど― - 読樹庵
さて、前巻でユーリカを勘違いさせたままに結婚する事になり、国王が当然知っている筈だ、と考えている「絶望の地」の真実も知らないこの作品の主人公、野生児たるアッシュであるが。勘違いを解く暇が訪れるのか、というとそうはならない。解けてしまっては面白みもなくなる、かもしれぬ。という訳で今巻では人間側にも勘違いが広がり。気が付かぬ間に世界征服の道へさらに進まされる巻である。
「この地を世界一豊かな地にしよう」
前巻より始まった、「絶望の地」の開拓。今はまだジョゼが流通と商売の全権を握った状態であり、そもそも貨幣経済すらこの地にはまだ来ておらず。それでも、この地を世界一豊かに。傲慢ではなく素直に学び領民に寄り添い、家臣のいう事をきちんと聞く。良き王様の条件をアッシュは気が付かぬ間に満たしており。
「世界征服、結構なことじゃないか」
アッシュの元に領地がまとまり、少しずつ様々な制度が出来てくる中。前巻でちょっかいをかけてきた隣の領主、シャーウッドはユーリカとジョゼから巻き込まれ。アッシュも当然、この地の真実を知っている筈だという前提を勘違いした状態で、世界征服の駒となる事に。
「ケジメとして罰は必要です」
しかし、いきなり反乱を引き起こしても上手くいく訳はない。とにもかくにも準備を整えなければ。各部門のリーダーを暫定的ながらに決める中、治安維持の総責任者としてブリジットに白羽の矢を立てる事に。だけどその来歴的に禊は必要、という事で。アッシュと部下たちと共に魔物に占拠された鉱山の解放に向かう事に。討伐の中、ブリジットはアッシュから、父親にどう育てられたか、と王国剣術について話を聞き。アッシュの育てられ方で勘違いしてしまい、何故か母性を抱いて。愛人という形で彼のハーレムに加わる事になる。
そしてジュゼの新たな計画が始まる。海の向こうの帝国と交流、新たな力を得るという計画が。数か月の日程で帝国へ向かうアッシュたち。その地で出会ったのは、孤児出身の天才児、リュネット。将来の脅威としてユーリカは暗殺を、と目論むも己の心のままに進むアッシュの真っ直ぐな告白に彼女はあっさりと堕とされ、新たな道が開ける。
色々な成果を得つつ戻った領地。だが、面倒ごとはすぐにやってくる。ジュゼの実兄であるフロイドが均衡を保つため差し向けてきたのは、悪名高い傭兵団。起きてしまう、領民の死。
「俺は領主失格だ」
「最初から、滅ぶか滅ぼすしかなかったのです」
「英雄殺し」の異名を持つ傭兵団、だが敵は知らなかった。眠れる龍の逆鱗を踏み抜くとどうなるか、という事を。今までは見せる事のなかった魔法の力で一撃で終わらせたアッシュは、迷子の子供のように傷つき。 宰相として己の油断に悔やむユーリカは決意する。均衡を保つため、動き出す、という事を。
発展の準備の先、戦いの予感が始まる今巻。前巻を楽しまれた読者様は是非。きっと貴方も満足できるはずである。
Amazon.co.jp: 領民ゼロ領主の勘違いハーレム。 2 ―エロいことがしたかっただけなのに、世界征服することになってたんですけど― (ダッシュエックス文庫) : 火野 あかり, カグユヅ: 本