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読書感想:魔剣少女の星探し 十七【セプテンデキム】 - 読樹庵
さて、前巻で始まった、リット、クララ、ソフィアにミオンを加えた四人による魔剣団「夜明けの星」による英雄譚であるが。今巻では何が起きるのか、というとであるが。新たな騒乱、新たな剣戟。そして一気に登場する新たなキャラ達による魅力的なファンタジーである。
「では、順番に言い訳をお聞きしますにゃん」
「夜明けの星」の旗揚げ早々、彼女達を襲うのは財政難。そも、彼女達は稼いでないのか、というとそうではなく、一人当たり金貨百枚は残るくらいには稼いでいた。では何故財政難なのか? クララは高価な調度品を買い過ぎ、ソフィアは飲み歩きし過ぎ、リットはどう見ても詐欺的なお願いを聞いてまるっと貸してしまい。今日のご飯のお金にも困る、と言う事で早速三人それぞれ金策に走る事に。
「役割分担というのが大事だと、わたくし思いますの」
まず動いたのはクララ。北方連邦国の大使になった叔父に仕事を求めれば、祭りを見に来た北方連邦国宮廷魔術師団の最高位の一人、エカテリーナの護衛の依頼。しかしそれはソフィアに押し付けられ、護衛として振り回されるソフィアが出会ったのは、北方連邦出身の、みなしごたちの面倒を見るラスティとボーマン、という男。
一方、セントラルに持ち込まれているという不審な荷物の捜索の仕事を受けたクララは、セレナという謎の女性と出会い行動を共にする事になり。リットはリットで、ブラッドフォード商会、という商会の代表、ガイウスに出会い商会所属の魔剣使いとして、近く開かれる照覧試合に出場する事に。
そう、この照覧試合こそが次なる剣戟の舞台。エカテリーナ尽きの魔剣士として出場する事になるソフィアとぶつかり合う事になるリット。だがそこへ介入するのは、「結社」の「第一席」としての正体を明かしたセレナと、とある術式を発動させるラスティとボーマン。
発動するのは、「黒百合」と呼ばれる忌むべき術式。狙われるのは、エカテリーナの所持する「魔剣名鑑」という重要な書。 あっという間に状況は混沌とし、あちこちで剣戟が巻き起こっていく。
「じゃ、行こっか。ボク達が出来ることをしにさ」
その最中、発動する「黒百合」。停止の鍵となるのは、偶々重要な位置に辿り着いたソフィアとエカテリーナ。ぶつかり合いの果て、やるべき事、自らにとっての星を見いだして。全てを終わらせるために飛び出して、皆が皆やるべき事をやって。
「いったい何が隠れているのでしょうね、セントラルの地下には」
「あれほどの逸材、どれほどの高みに至るか楽しみに御座います」
その先、待つのは新たな関係の結び。しかし残るのは謎。黒百合に「結社」が刻んだと思しき一見すると意味がないもの。動き出すのは結社の三番目。リットに星を見いだした魔剣使いが動き出す。
更に熱く面白さを増す、長く読んでいたくなるはずの今巻。前巻を楽しまれた読者様は是非。きっと貴方も満足できるはずである。