読書感想:聖剣学院の魔剣使い12

 

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読書感想:聖剣学院の魔剣使い11 - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 さて、今さらながらこの作品はアニメ化するらしい。一巻から読み続けている身として、とても喜ばしい次第であるがふと思う次第である。果たして、どこまでどうアニメ化するのであろうか、と。この作品、言ってしまえばストーリーが全巻を数珠つなぎに繋いでおり、全部合わせて一つのお話なのである。故に、どこまでアニメ化するのか。キリのいい所、というのは何処になるのだろうか。それはともかく、今巻においてはどんな方向へ話が進んでいくのだろうか。

 

 

その部分だけ先に説明してしまうと、今巻にて描かれるのは大狂騒の終盤、魔剣に操られ離反したエルフィーネとリーセリア達との戦い。その後の魔王達の集結、そして今度はレオニス達側からの攻勢なのである。

 

魔剣により強化されたエルフィーネの「天眼の宝珠」の力に、竜の血の力まで用いてもリーセリアが追い込まれるその裏で。ガゾスに一騎打ちを挑まれたレオニスは手合わせする事になる中、ヴェイラとリヴァイズも合流し。リヴァイズの仲裁により矛を納め、一旦魔王城にて歓迎の宴が開かれる事となる。

 

「別の可能性の世界がもう一つ生み出された、というわけだな」

 

その場で共有されるのは、ヴェイラが得た情報。この世界が二つに分かれた具体的な時節と、「凶星」と呼ばれる星の正体。ヴェイラとリヴァイズが休養も兼ねて外出する中、レオニスはガゾスとシミュレーションでぶつかり合い和議を結び。戦闘力の高い獣人の部下を差し出すと言う代償の元、一先ずの平穏を得る。

 

その平穏の中、レオニス達の寮に押しかけてきたヴェイラとリヴァイズが場をかき乱し、リーセリアはヴェイラに師事を受け。次の戦いへ向けて準備を進める中、やはり事態は早々に動きを見せる。電脳世界に逃がされていたエルフィーネの猫、それが伝えたのは彼女はフィレット社の本拠地である「第04戦術都市」に連れ去られたという事。関発入れず、フィレット社の計画は発動し。ヴォイドの「巣」と化してしまったその都市からの、救援要請が飛び込んでくる。

 

「そろそろ、表舞台に出る頃合いだと―――」

 

救援の為に進む準備、その中でレオニスもまた一つの決意を固める。自分の今の正体を隠す意味でも、魔王の姿で表舞台に出る事を。帝国上層部の会議の中に魔王の姿で颯爽と乱入しその力を見せつけ。帝国旗艦の姉妹艦、「エンディミオン」を手に入れ、本来の任務へ向かうリーセリア達とは別れ、かの艦で戦術都市へと乗り込んでいく。

 

「―――さて、ここからは〈魔王〉の戦争だ」

 

共に向かうは配下、及びヴェイラとリヴァイズ。その標的は、「次元城」。確実にもう一人のレオニスがいるであろう場所。

 

次巻、いよいよ正念場。果たして二つの武器を取り上げられたレオニスに勝ち目はあるのか。

 

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